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★2回目はプラスチックの成形品で問題になりやすい「ストレスクラック」について簡単にまとめてみました。
ストレスクラック(応力亀裂)
これは、プラスチック(樹脂)成形品が、在庫中もしくは使用中にひび割れてくることを言います。
樹脂製のキャップや後から穴あけ加工した物などに発生しやすい現象です。 |
ストレスクラックは英語で「Stress Cracking」と書きます。日本語では「応力亀裂」と言われています。
ストレス(Stress)と言う言葉は日常では、どちらかと言えば人間に関して言われることが多いですが、今回の場合は樹脂製品(プラスチック)に荷重や成形時における収縮などによる内部的力をいいます。
少し固くなりますが、応力(ストレス)について説明します。
図のように短冊状のプラスチックの上側を固定して、下側に5kgの荷重がぶら下げています。当然、わずかですが、プラスチックは5kgの荷重をかける前より少し伸びて長くなります。これは、プラスチックの成分(例えば、ポリエチレン)の分子と分子の間の距離が少し離れ(伸びる)ことによります。この分子と分子の距離が少し離れることが全体に積み重なって樹脂が伸びたわけです。この、分子と分子との離れる距離は荷重に比例しますが、ある限度を超えると分子と分子の間は完全に離れて切れてしまいます。(破壊する)この、分子と分子の間が伸びている状態を応力(ストレス)と言います。
次に、クラック(亀裂)ですが、樹脂に応力が発生している時、樹脂製品に均一に同じ応力が働いているわけではありません。
それは、樹脂製品の形が上の例のように単純な形ではないからです。
例えば、先程の例の短冊を図のように中央がくびれた形に変えたとします。
そうしますと当然、中央のくびれたところの応力(正確には応力度)が大きくなります。
また、樹脂成形品には、非常に拡大して見ると部分的にデコボコがあったり、樹脂が十分まわりこんでいない所があります。
ストレスクラックはこのように、応力が働いていて、ミクロ的(微視的)に非常大きな応力が有るところから、じょじょに割れてくることを言います。また、製品が置かれた環境の温度変化や湿度変化などにも影響を受けます。
次に、どんな樹脂(プラスチック)がストレスクラックで割れることがあるのでしょうか。
ご存知のように、樹脂は大きく2つに分類されます。
1つは、熱可塑性樹脂でもう1つは熱硬化性樹脂です。
| 1.熱可塑性樹脂 |
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チョコレート型(熱を加えると軟らかくなる)
ローソクタイプ
紙や不織布(フェルト)みたいに、繊維がからまっているだけ |
2.熱硬化性樹脂 |
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ビスケット型(焼く前は軟らかいが、一たん焼く次は熱を加えても軟らかくならない)
卵焼きタイプ
編物みたいに、全体がつながっている |
1.の熱可塑性樹脂がストレスクラックで割れることがあります。
2.の熱硬化性樹脂は基本的にはストレスクラクでは割れません(当然大きな力では破壊することは有ります)
1.の熱可塑性樹脂は樹脂の分子がからまっているだけなので、応力が働いていると、分子と分子の間が伸びます。非常に拡大して見ると、一部分子と分子が引き離されて部分的に隙間がある所が発生する場合があります。そして、隙間が出来るとその所に応力が集中して、さらに隙間が広がる可能性が高くなります。
この様にして、クラック(隙間)が広がり破壊することをストレスクラックと言っています。
いままでの説明は応力だけが働く場合だけに限定してきましたが、応力がかかた状態に溶剤や薬品がふれると、ストレスクラックがさらに早く進む場合があります。
機械油や、洗剤、可塑剤(塩ビ製品を柔らかくする溶剤)等にふれると、きわめて短時間でストレスクラックがおこる場合があります。
次に、このストレスクラックの評価方法について説明します。
<ストレスクラックの評価試験方法>
| JIS Z1703 「ポリエチレンびん」にストレスクラクの試験方法がのっています。 |
50℃の薬品(通常は界面活性剤(洗剤のようなもの)の10%液を使用)が入った水溶液に1週間入れて、樹脂が割れないかを調べる。(応力がかかった状態で入れる)
この試験の1週間が実使用の何年に相当するかは、商品により違うので正確にはわからないが過去のデーターからある程度は推定できます。 |
テーマは試験に関係する内容で、知っておれば便利だと思うものを選んで送らせてもらっています。
いまのところ、同じテーマで深く追求してシリーズでお届けするまでには至っていません。
そのつど、テーマが変わりますので読みづらいかもしれませんが、ご了承願いたいと思います。 |