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  <8> KTRニュース

 

 

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第 1回 「LD50(エルディーゴジュウ)」について
第 2回 「ストレスクラック」について
第 3回 促進試験について
第 4回 N(ニュートン)について
第 5回 製品の安全性(有害物質について)
第 6回 分析について
第 7回 「品質工学」(タグチメソッド)について 1
第 8回 「品質工学」(タグチメソッド)について 2
第 9回 「品質工学」(タグチメソッド)について 3
第10回 VOC(揮発性有機溶剤)シックハウス症候群について
第11回 RoHS(ローズ)について
第12回 安全係数について
第13回 環境マネージメントシステムについて
第14回 アクリルについて
第15回 PBB(ピービービー),PBDE(ピービーディーイー)について
第16回 「可塑剤(かそざい)」について
第17回 「水と油はなぜ混ざらないのか」
第18回 化審法(かしんほう)について
第19回 湿度(しつど)について
第20回 「HACCP(ハサップ)」食品の安全性確保
第21回 「プラスチックの見分け方(赤外分析)」について
第22回 「REACH(リーチ)規制(新化学物質規制)」について
第23回 「積層造形(ラピッドプロトタイピング)」について
第24回 「ボールタック試験(粘着性の試験)」について
第25回 「化学物質の安全性」について
 第1回目

★第1回目としましては、最近特に関心が高まってきました、化学物質の安全性に関しまして、有害性の指標である LD50(エルディーゴジュウ)について簡単に紹介させてもらいます。

「LD50(エルディーゴジュウ)」について
LD50のLDとは、Lethal Doseの頭文字で致死量と言う意味です。
  Lethal(リーサル): 致死の
  Dose(ドウス)  : 量
  50は、この化学物質を食べた試験動物の50%が死ぬと言うことです。


少し固くなりますが、定義を紹介します。
LD50:半数致死量。試験動物の半数を死亡させる摂取量(経口)を動物の体重1kg当りに換算した量(単位;mg/kg)
  (注)1gは1000mgです

 したがって、50Kgの人がLD50が200mg/kgのものを誤って飲み込んだ場合、200mg×50kg=10000mg(10g)10g飲み込むと半分の確率で死亡する可能性があると言うことです。

LD50の数値が小さいほど、毒性(有害性)が高いと言えます。

具体的に、有害物質のLD50はどの程度の数値でしょうか
有害物質の代表である、毒物、劇物のLD50の値を紹介します。
毒物と劇物は毒物、劇物取扱法で決められています。

毒物

LD50: 30mg/kg以下のもの
劇物 LD50: 30mg/kg〜300mg/kg以下のもの
  300mg/kg以上のものは、普通物とされます。
商品を開発するときは、その商品に有害物質が含まれないように気をつけると思いますが、その中に含まれている化学物質の有害性を評価するのに、LD50の数値が目安になると思います。
 
 参考としまして、いろいろな物質のLD50の値をあげておきます。
フグ毒(テトロドトキシン)
0.0085mg/kg
青酸カリ
10mg/kg
ニコチン(タバコの成分)
24mg/kg
カフェイン(コーヒーの成分)
192mg/kg
アスピリン(解熱剤)
400mg/kg
食塩
3000mg/kg(3g/kg)
  (文献により、少し数値が変わります。)  

毒性(有害性)の評価は、LD50(急性経口毒性)だけではなく、慢性毒性、発ガン性、遺伝毒性等がありますが、まず最初に検討すべきものとして、LD50があると思います。
MSDS(製品安全データーシート)の中の化学物質のLD50の確認が必要だと思います。



 第2回目

★2回目はプラスチックの成形品で問題になりやすい「ストレスクラック」について簡単にまとめてみました。

ストレスクラック(応力亀裂)
これは、プラスチック(樹脂)成形品が、在庫中もしくは使用中にひび割れてくることを言います。
樹脂製のキャップや後から穴あけ加工した物などに発生しやすい現象です。

ストレスクラックは英語で「Stress Cracking」と書きます。日本語では「応力亀裂」と言われています。

ストレス(Stress)と言う言葉は日常では、どちらかと言えば人間に関して言われることが多いですが、今回の場合は樹脂製品(プラスチック)に荷重や成形時における収縮などによる内部的力をいいます。

少し固くなりますが、応力(ストレス)について説明します。


      
図のように短冊状のプラスチックの上側を固定して、下側に5kgの荷重がぶら下げています。当然、わずかですが、プラスチックは5kgの荷重をかける前より少し伸びて長くなります。これは、プラスチックの成分(例えば、ポリエチレン)の分子と分子の間の距離が少し離れ(伸びる)ことによります。この分子と分子の距離が少し離れることが全体に積み重なって樹脂が伸びたわけです。この、分子と分子との離れる距離は荷重に比例しますが、ある限度を超えると分子と分子の間は完全に離れて切れてしまいます。(破壊する)この、分子と分子の間が伸びている状態を応力(ストレス)と言います。

次に、クラック(亀裂)ですが、樹脂に応力が発生している時、樹脂製品に均一に同じ応力が働いているわけではありません。
それは、樹脂製品の形が上の例のように単純な形ではないからです。


    
例えば、先程の例の短冊を図のように中央がくびれた形に変えたとします。
そうしますと当然、中央のくびれたところの応力(正確には応力度)が大きくなります。
また、樹脂成形品には、非常に拡大して見ると部分的にデコボコがあったり、樹脂が十分まわりこんでいない所があります。

ストレスクラックはこのように、応力が働いていて、ミクロ的(微視的)に非常大きな応力が有るところから、じょじょに割れてくることを言います。また、製品が置かれた環境の温度変化や湿度変化などにも影響を受けます。

次に、どんな樹脂(プラスチック)がストレスクラックで割れることがあるのでしょうか。
ご存知のように、樹脂は大きく2つに分類されます。
1つは、熱可塑性樹脂でもう1つは熱硬化性樹脂です。

1.熱可塑性樹脂
  チョコレート型(熱を加えると軟らかくなる)
ローソクタイプ
紙や不織布(フェルト)みたいに、繊維がからまっているだけ

2.熱硬化性樹脂
  ビスケット型(焼く前は軟らかいが、一たん焼く次は熱を加えても軟らかくならない)
卵焼きタイプ
編物みたいに、全体がつながっている

1.の熱可塑性樹脂がストレスクラックで割れることがあります。
2.の熱硬化性樹脂は基本的にはストレスクラクでは割れません(当然大きな力では破壊することは有ります)

1.の熱可塑性樹脂は樹脂の分子がからまっているだけなので、応力が働いていると、分子と分子の間が伸びます。非常に拡大して見ると、一部分子と分子が引き離されて部分的に隙間がある所が発生する場合があります。そして、隙間が出来るとその所に応力が集中して、さらに隙間が広がる可能性が高くなります。
この様にして、クラック(隙間)が広がり破壊することをストレスクラックと言っています。

いままでの説明は応力だけが働く場合だけに限定してきましたが、応力がかかた状態に溶剤や薬品がふれると、ストレスクラックがさらに早く進む場合があります。
機械油や、洗剤、可塑剤(塩ビ製品を柔らかくする溶剤)等にふれると、きわめて短時間でストレスクラックがおこる場合があります。

次に、このストレスクラックの評価方法について説明します。
<ストレスクラックの評価試験方法>

JIS Z1703 「ポリエチレンびん」にストレスクラクの試験方法がのっています。
50℃の薬品(通常は界面活性剤(洗剤のようなもの)の10%液を使用)が入った水溶液に1週間入れて、樹脂が割れないかを調べる。(応力がかかった状態で入れる)
この試験の1週間が実使用の何年に相当するかは、商品により違うので正確にはわからないが過去のデーターからある程度は推定できます。

テーマは試験に関係する内容で、知っておれば便利だと思うものを選んで送らせてもらっています。
いまのところ、同じテーマで深く追求してシリーズでお届けするまでには至っていません。
そのつど、テーマが変わりますので読みづらいかもしれませんが、ご了承願いたいと思います。

 

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