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  <8> KTRニュース

 

 

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第 1回 「LD50(エルディーゴジュウ)」について
第 2回 「ストレスクラック」について
第 3回 促進試験について
第 4回 N(ニュートン)について
第 5回 製品の安全性(有害物質について)
第 6回 分析について
第 7回 「品質工学」(タグチメソッド)について 1
第 8回 「品質工学」(タグチメソッド)について 2
第 9回 「品質工学」(タグチメソッド)について 3
第10回 VOC(揮発性有機溶剤)シックハウス症候群について
第11回 RoHS(ローズ)について
第12回 安全係数について
第13回 環境マネージメントシステムについて
第14回 アクリルについて
第15回 PBB(ピービービー),PBDE(ピービーディーイー)について
第16回 「可塑剤(かそざい)」について
第17回 「水と油はなぜ混ざらないのか」
第18回 化審法(かしんほう)について
第19回 湿度(しつど)について
第20回 「HACCP(ハサップ)」食品の安全性確保
第21回 「プラスチックの見分け方(赤外分析)」について
第22回 「REACH(リーチ)規制(新化学物質規制)」について
第23回 「積層造形(ラピッドプロトタイピング)」について
第24回 「ボールタック試験(粘着性の試験)」について
 第19回

★今回のテーマーは、「湿度(しつど)について」です。

「湿度(しつど)について」

今回は湿度について説明させていただきます。
「湿度」と言う言葉は、日本では非常になじみのある言葉だと思います。
日本の風土を形づくっている、気象の大事な要素だと思います。
普通に湿度と言う時は、相対湿度のことを言っています。
一般的にはあまり使われませんが、絶対湿度といわれるものもがあります。

<湿度には2種類があります>
通常使われる湿度は正確には相対湿度といわれます。
これに対しまして、絶対湿度と言われるものがあります。

2種類の湿度
  1.相対湿度(Relative Humidity)
  2.絶対湿度(Absolute Humidity)

天気予報などにのっているのは相対湿度で、%(RH)で表されます。
それでは、この相対湿度と絶対湿度の違いについいて説明させていただきます。

 

<1.相対湿度>
普通に湿度といえば、この相対湿度のことを言います。
単位が%で表されているように、何かに対する割合を表しています。この何かと言うものは、その温度で空気中に存在できる水蒸気の最大量です。
湿度100%と言えば、その温度での空気中に存在できる水蒸気が飽和していて、それ以上は湿度として存在できません。
相対湿度は温度(気温)に関係なく、○○%と表されます。

<2.絶対湿度>
絶対湿度とは、ある温度における空気中の水蒸気量で、g(グラム)で表されます。
温度によって、最大水蒸気量は増えていきます。
なぜ増えていくかと言いますと、温度が上がれば水蒸気が温度の上昇に応じて活発に動きまわることができるので、液体の水から飛び出す水の分子(水蒸気)が多くなるからです。

<温度変化による絶対湿度>
それでは、温度によって絶対湿度がどのように増えて行くのかを見てみましょう。
0度から60度まで、5度きざみで絶対湿度(g/m3)をあらわしています。
温度が上がると急激に絶対湿度があがっています。

温度(t)
絶対湿度
g/m3
0度
4.9
5度
6.8
10度
9.4
15度
12.8
20度
17.3
25度
23.1
30度
30.4
35度
39.7
40度
51.2
45度
65.5
50度
83.0
55度
104.3
60度
130.3

絶対湿度はその温度で、空気1m3(立法メートル:1m角の体積)の中にある水蒸気をg(グラム:重さ)で表したものです。

20度の時、17.3gの水蒸気が存在できる

例えば、気温が20度の時、空気1m角(1m×1m×1m)の中に17.3gの水蒸気が最大存在することができます。

<相対湿度と絶対湿度との関係>
それでは、相対湿度と絶対湿度との関係を説明させてもらいます。
試験などを行う時、温度、湿度の標準条件として20度、60%が通常定められています。
この時の絶対湿度はどれぐらいでしょうか。
20度で相対湿度が100%のときが、上の表より17.3gと決まっています。
相対湿度が60%なので、
         17.3g×0.60=10.38g
となります。

逆に、20度で空気中に10.38g/m3の水蒸気があるときの相対湿度は次のようになります。
         (10.38÷17.3)×100=0.6×100=60%

以上のように、相対湿度から絶対湿度え、逆に絶対湿度から相対湿度へと変換できます。

<結露(けつろ)について>
湿度に関係して、大事な現象として結露(けつろ)があります。
20度60%の空気が透明なアクリルの箱に閉じ込められているとします。
このアクリルの箱を環境試験室に入れて、温度を下げていきます。
10度に下げますと、10度のときの飽和水蒸気量は、9.4gです
一方、20度60%の水蒸気量は10.38gなので
         10.38g - 9.4g=0.98g
0.98gの水が結露して、アクリルの壁に水滴として付きます。

結露は金属製品に付くと錆になる恐れがあります。また、木製品とか紙製品に付くとカビの原因になります。

<相対湿度と絶対湿度の使いわけ>
なぜ相対湿度と絶対湿度の2つの言葉が使われているのでしょうか。
通常使用するのは相対湿度の方です。なぜ相対湿度の方を多く使うのでしょうか。
人間が生活する時、相対湿度に敏感に感じますが、絶対湿度にはあまり感じません。
相対湿度が低いと乾燥していると感じ、肌がカサカサするとか、静電気が起こりやすくなります。
商品にとっても湿度が低いと、紙や木などが、乾燥して縮だり反ったりします。
逆に、相対湿度が高いとベトベトした感じがして洗濯物が乾きにくくなります。
湿度が高いと金属の錆や紙や木製品のカビの原因になります。

それでは、絶対湿度はどのような時に使われるのでしょうか。絶対湿度は空調(温度や湿度のコントロール)関係で使われます。また、上記の結露などのときに使います。
一部、医療関係でインフルエンザなどは相対湿度より絶対湿度との関係が強いとも言われています。

<湿度の促進性の考え方>
湿度は温度と同じように、物の劣化(れっか)に影響します。それで、促進試験
(そくしんしけん:劣化を早める試験)では、湿度を高くすることが行われます。
環境試験や促進試験で45度、90%の条件がよく使用されます。
この場合の促進性はどの程度あると考えられるのでしょうか。
標準状態として20度、60%を考えます。

温度、湿度による促進性
  (温度)
45度は20度に比べて25度温度が高いです。
アウレニウスの考えかたより、10度温度が高くなると促進性は2倍になると考えますと
    2倍 × 2倍 × 1.5倍 = 6倍  と考えられます。
     
  (湿度)
絶対湿度に比例して劣化が促進すると考えます。
20度60%と45度90%の絶対湿度を計算します。
    20度60%  17.3g × 0.6 = 6.0g
45度90%  65.5g × 0.9 = 58.95g

58.9 ÷ 6.0 = 9.8倍
     
  (温度と湿度の両方の促進性を考える)
    温度は 6倍 、湿度は 9.8倍
これを掛け合わせると  6 × 9.8 =58.8倍

これからすると、45度90%は20度60%の58.8倍の促進性があると考えられます。
すなわち、45度90%で1週間試験したものは、常温(20度60%)の59週間、1年間分に相当すると考えることが出来ます。
(注;これはあくまで老化の促進が絶対湿度に比例すると考えた場合です)
これはあくまで目安です。実際の促進性は促進試験と常温での放置試験の両方を行ってその相関性と促進性を見る必要があります。

以上、湿度について簡単に説明させていただきました。




 第20回

今回のKTRニュースは「HACCP(ハサップ)システム」について、紹介させてもらいます。
これを見られたり、聞かれたことがある人もおられるかもしれません。

アメリカ産輸入肉の関係で、食品に対する関心が高まってきています。
O-157(オーイチゴナナ)の食中毒事故とか、鳥インフルエンザ等食品に対する安全性に対して不安も高まっています。
これらを防ぐ手段の1つとして、このHACCP(ハサップ)が注目されています。

「HACCP(ハサップ)」食品の安全性確保

これは、食品の安全性を保証するためのシステムです。
「ハサップ」、「ハシップ」、「ハセップ」などと呼ばれます。
これは、次の英語の頭文字を取ったものです。

azard (ハザード)  危害
nalysis   分析
 
and
   
ritical (クリテカル)  重点
ontrol (コントロール) 管理
P P oint (ポイント)

「危害要因分析と重点管理方式」とか
「危害要因分析と必須管理点管理方式」とか
「危害分析重要管理方式」とか言われています。

Hazard(ハザード:危害)は食品とともに口から入った時に、お腹を
こわしたり熱を出したりする原因となるものをいいます。

 

< HACCP(ハサップ)の具体的な内容 >
HACCP方式は、原料の入荷から製造・出荷までのすべての工程において、あらかじめ危害を予測し、その危害を防止(予防、消滅、許容レベルまでの減少)するための重要管理点(CCP)を特定して、そのポイントを継続的に監視・記録し、異常が認められたらすぐに対策を取り解決するので、不良製品の出荷を未然に防ぐことが出来るシステムです。

HACCP方式を導入した施設において、必要な教育・訓練を受けた従業員によって、定められた手順や方法が日常の製造過程において遵守されることが不可欠です。

<家にあたミネラルウヲーターのダンボール表示>

< HACCP(ハサップ)の具体的な内容 >
これは、アメリカのアポロ計画で宇宙飛行士が食中毒にかからないために考えだされたシステムです。

世界には多くのHACCPシステムが存在します。

< 日本版HACCP(ハサップ) >
日本版HACCPシステム 「総合衛生管理製造過程」 (略称マルソウ)は食品衛生法で決められています。   
厚生労働省によって、1996年5月に施行されました。

対象製品は次のものです。将来的には全食品に適用しようと しています。

乳・乳製品、食肉製品、魚肉ねり製品などの製造基準のある商品

通常は左側のマークを使用。
ただし表示スペースが小さいものの場合は、右側のマークでも良い。
 
<家にあったハムの表示> 
<家にあった焼きブタの表示>

厚生労働大臣により承認されたHACCP(ハサップ)システムにより衛生管理が行われている工場等で製造された商品に表示することが出来る

< HACCP(ハサップ)の種類と統一化 >
世界中には国ごとや1国の中でも複数のHACCP基準があります。
これだけ輸出や輸入の多い時代に国ごとに基準が違っていますと非常に不便なことになります。
そこで、これらを統一するためにISO規格が作成されました。
これが、次のISO(アイエスオーまたはイソ)規格です。


ISO 22000 「食品安全マネジメントシステム − フードチェンの組織に対する要求事項」
  2005年9月1日に発行されました。

これは、下に書きましたように、HACCP(ハサップ)とISO(アイエスオー)9001(品質管理の規格) を合わせたものになっています。
HACCP(ハサップ)はあくまで食品の安全性に関する規格なので、品質管理全般にたいする規格にはなっていません。そこでベースにISO(アイエスオー)9001を入れる必要があったのです。

HACCP(ハサップ) + ISO(アイエスオー)9001 = ISO(アイエスオー)22000

< ISO 22000の内容 >
ISO2200の内容は次のようになっています。

基本は次の7原則、12手順です。

1, HACCPチームの編成  
2, 製品の特性についての説明  
3, 意図する用途の確認  
4, 製造工程一覧図(フローダイアグラム)の作成
 
5, フローダイアグラムについての現場検証  
     
6, 各段階における危害とその防除方法のリストアップ 原則 1
7, CCPの決定 原則 2
8, CCPに対する管理基準の設定 原則 3
9, CCPに対する監視・測定方法の設定 原則 4
10, 基準からの逸脱時に取るべき修正措置の設定 原則 5
11, HACCP方式の検証方法(確認試験)の設定 原則 6
12, 記録保存及び分書作成要領の規定 原則 7

< HACCPを取り決めている食品衛生法の説明 >
不良な食品の消費により食中毒や感染症その他の事故が生じないよう、食品、食品添加物についての表示の基準等を定めている。
表示対象となるのは容器包装に入れられた加工食品であり、食品の名称、消費期限、賞味期限、保存方法、製造所所在地、製造業者氏名、使用された食品添加物等の表示が義務づけられている。
食品衛生法は次の6つより構成されています。

(1) 規格基準
  食品および添加物の成分規格
  製造、使用、保存の基準
(2) 表示基準
  公衆衛生の見地からの表示
(3) 食品監視と衛生管理
  立ち入り検査
  食品衛生監視員
    (検疫所では輸入食品監視、保健所では営業者に対する監視指導 及び国内流通品の監視)
  HACCP(総合衛生管理製造過程)の承認制度
  食品衛生管理者、食品衛生責任者、食品衛生推進員
(4) 営業許可
(5) 施設基準
(6) 管理運営基準

< 食品添加物の説明 >
食品添加物とは、それ自身のみで食品として通常食べられることは無く、また、食品の典型的な材料として用いられないもので、食品製造、加工する際、いろいろな目的で食品に添加されるものです。
ただし、昔から一般に食品と考えられてきた砂糖や食塩などは除かれます。
食品添加物はつぎの4つに分類されます。

1, 指定添加物 349 種類
2, 既存添加物  450 種類
3, 天然香料 612 種類
4, 一般飲食物添加物 104 種類

 

< まとめ >
以上、HACCP(ハサップ)を中心に食品の安全確保のための仕組みの説明をしてきました。
食品の安全性は他の商品に比べて最も厳しいものです。最近は食品以外の商品につきましても、誤飲、接触、吸引等安全性について感心が高まってきています。
それらの対応を考えるベースとして、食品の安全性についてある程度の理解は必要ではないかと思います。

 

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