★今回のテーマーは、「湿度(しつど)について」です。
「湿度(しつど)について」
今回は湿度について説明させていただきます。
「湿度」と言う言葉は、日本では非常になじみのある言葉だと思います。
日本の風土を形づくっている、気象の大事な要素だと思います。
普通に湿度と言う時は、相対湿度のことを言っています。
一般的にはあまり使われませんが、絶対湿度といわれるものもがあります。
<湿度には2種類があります>
通常使われる湿度は正確には相対湿度といわれます。
これに対しまして、絶対湿度と言われるものがあります。
| 2種類の湿度 |
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1.相対湿度(Relative Humidity) |
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2.絶対湿度(Absolute Humidity) |
天気予報などにのっているのは相対湿度で、%(RH)で表されます。
それでは、この相対湿度と絶対湿度の違いについいて説明させていただきます。
<1.相対湿度>
普通に湿度といえば、この相対湿度のことを言います。
単位が%で表されているように、何かに対する割合を表しています。この何かと言うものは、その温度で空気中に存在できる水蒸気の最大量です。
湿度100%と言えば、その温度での空気中に存在できる水蒸気が飽和していて、それ以上は湿度として存在できません。
相対湿度は温度(気温)に関係なく、○○%と表されます。
<2.絶対湿度>
絶対湿度とは、ある温度における空気中の水蒸気量で、g(グラム)で表されます。
温度によって、最大水蒸気量は増えていきます。
なぜ増えていくかと言いますと、温度が上がれば水蒸気が温度の上昇に応じて活発に動きまわることができるので、液体の水から飛び出す水の分子(水蒸気)が多くなるからです。
<温度変化による絶対湿度>
それでは、温度によって絶対湿度がどのように増えて行くのかを見てみましょう。
0度から60度まで、5度きざみで絶対湿度(g/m3)をあらわしています。
温度が上がると急激に絶対湿度があがっています。
| 温度(t) |
絶対湿度
g/m3 |
0度 |
4.9 |
5度 |
6.8 |
10度 |
9.4 |
15度 |
12.8 |
20度 |
17.3 |
25度 |
23.1 |
30度 |
30.4 |
35度 |
39.7 |
40度 |
51.2 |
45度 |
65.5 |
50度 |
83.0 |
55度 |
104.3 |
60度 |
130.3 |
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絶対湿度はその温度で、空気1m3(立法メートル:1m角の体積)の中にある水蒸気をg(グラム:重さ)で表したものです。
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20度の時、17.3gの水蒸気が存在できる |
例えば、気温が20度の時、空気1m角(1m×1m×1m)の中に17.3gの水蒸気が最大存在することができます。 <相対湿度と絶対湿度との関係>
それでは、相対湿度と絶対湿度との関係を説明させてもらいます。
試験などを行う時、温度、湿度の標準条件として20度、60%が通常定められています。
この時の絶対湿度はどれぐらいでしょうか。
20度で相対湿度が100%のときが、上の表より17.3gと決まっています。
相対湿度が60%なので、
17.3g×0.60=10.38g
となります。
逆に、20度で空気中に10.38g/m3の水蒸気があるときの相対湿度は次のようになります。
(10.38÷17.3)×100=0.6×100=60%
以上のように、相対湿度から絶対湿度え、逆に絶対湿度から相対湿度へと変換できます。
<結露(けつろ)について>
湿度に関係して、大事な現象として結露(けつろ)があります。
20度60%の空気が透明なアクリルの箱に閉じ込められているとします。
このアクリルの箱を環境試験室に入れて、温度を下げていきます。
10度に下げますと、10度のときの飽和水蒸気量は、9.4gです
一方、20度60%の水蒸気量は10.38gなので 10.38g - 9.4g=0.98g
0.98gの水が結露して、アクリルの壁に水滴として付きます。
結露は金属製品に付くと錆になる恐れがあります。また、木製品とか紙製品に付くとカビの原因になります。 <相対湿度と絶対湿度の使いわけ>
なぜ相対湿度と絶対湿度の2つの言葉が使われているのでしょうか。
通常使用するのは相対湿度の方です。なぜ相対湿度の方を多く使うのでしょうか。
人間が生活する時、相対湿度に敏感に感じますが、絶対湿度にはあまり感じません。
相対湿度が低いと乾燥していると感じ、肌がカサカサするとか、静電気が起こりやすくなります。
商品にとっても湿度が低いと、紙や木などが、乾燥して縮だり反ったりします。
逆に、相対湿度が高いとベトベトした感じがして洗濯物が乾きにくくなります。
湿度が高いと金属の錆や紙や木製品のカビの原因になります。
それでは、絶対湿度はどのような時に使われるのでしょうか。絶対湿度は空調(温度や湿度のコントロール)関係で使われます。また、上記の結露などのときに使います。
一部、医療関係でインフルエンザなどは相対湿度より絶対湿度との関係が強いとも言われています。
<湿度の促進性の考え方>
湿度は温度と同じように、物の劣化(れっか)に影響します。それで、促進試験
(そくしんしけん:劣化を早める試験)では、湿度を高くすることが行われます。
環境試験や促進試験で45度、90%の条件がよく使用されます。
この場合の促進性はどの程度あると考えられるのでしょうか。
標準状態として20度、60%を考えます。
| 温度、湿度による促進性 |
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(温度)
45度は20度に比べて25度温度が高いです。
アウレニウスの考えかたより、10度温度が高くなると促進性は2倍になると考えますと |
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2倍 × 2倍 × 1.5倍 = 6倍 と考えられます。 |
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(湿度)
絶対湿度に比例して劣化が促進すると考えます。
20度60%と45度90%の絶対湿度を計算します。 |
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20度60% 17.3g × 0.6 = 6.0g
45度90% 65.5g × 0.9 = 58.95g
58.9 ÷ 6.0 = 9.8倍 |
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(温度と湿度の両方の促進性を考える) |
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温度は 6倍 、湿度は 9.8倍
これを掛け合わせると 6 × 9.8 =58.8倍 |
これからすると、45度90%は20度60%の58.8倍の促進性があると考えられます。
すなわち、45度90%で1週間試験したものは、常温(20度60%)の59週間、1年間分に相当すると考えることが出来ます。
(注;これはあくまで老化の促進が絶対湿度に比例すると考えた場合です)
これはあくまで目安です。実際の促進性は促進試験と常温での放置試験の両方を行ってその相関性と促進性を見る必要があります。
以上、湿度について簡単に説明させていただきました。 |