★今回のKTRニュースのテーマは製品における有害物質についてです。
第1回目の「LD50(エルデーゴジュウ)」と関連があるテーマです。
製品の安全性(有害物質について)
製品の安全性については、製品の形状によるバリや、呑み込んで息がつまる等の物理的な安全性と、誤って口に入った時の化学的安全の二つがあります。
今回は、誤って口に入る(子どもがなめたリ、食べたりしたとき)場合の安全性について説明させてもらいます。
最近は、有害化学物質については非常に関心が高く、どの企業も製品の中に有害物質が含まれていないことに注意を払っています。
製品の中に入っている有害化学物質は、誤飲による人体の安全性と環境に排出された時の環境汚染の2つの面から規制されています。
環境汚染にかかわる有害化学物質の規制は、該当物質の種類が多いので、今回は、誤飲による人体の安全性について説明させてもらいます。
誤飲による化学物質の基準としまして、
| 1.BS EN 71-3 玩具の安全性(第3部 特定元素の移行)
2.ST-2002 玩具の安全基準書(STマークの基準)
3.エコマークの再生樹脂の基準 |
等があります。
この中で、1.BS EN 71-3(イーエヌ ナナジュウイチのサン)がベースになっていて、2.、3.はこのEN71-3をベースにしています。
1.のBS EN 71-3 玩具の安全性の基準は、英国規格(BS)として作られそれが、欧州規格(EN)になったものです。
内容は、対象が玩具(おもちゃ)なので、乳幼児対象の商品で、子どもがなめたり誤って呑み込んだり、食べたりした時に、胃のなかの胃酸で有害物質が溶け出て体内に吸収された場合を想定しています。
この規格で規制されている化学物質と許容量について紹介します。
< 基 準 表 > |
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(1)通常品 |
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(2)成形粘土及びフインガーペイント |
| 1.アンチモン |
(Sb) |
60 |
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60 |
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| 2.ヒ素 |
(As) |
25 |
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25 |
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| 3.バリウム |
(Ba) |
1000 |
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250 |
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| 4.カドミウム |
(Cd) |
75 |
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50 |
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| 5.クロム |
(Cr) |
60 |
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25 |
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| 6.鉛 |
(Pb) |
90 |
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90 |
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| 7.水銀 |
(Hg) |
60 |
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25 |
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| 8.セレン |
(Se) |
500 |
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500 |
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(単位 ppm=mg/kg:溶液の濃度) |
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以上の8種類の重金属です。
この規格値はあくまで、胃酸を想定した塩酸溶液に溶けだした塩酸溶液の分析値です。
製品に含有されていても、塩酸溶液に溶けださなければ問題はありません。
(環境関連の規制では、溶出ではなく廃棄後の事を考えているので、含有規制が多いです)
実際のEN 71-3の規格には、製品を材料ごとに9種類に分けていて、それぞれのを分析するための前処理が細かく書かれています。
9種類の分類を以下に紹介いたします。
- 塗料の皮膜、ワニス、ラッカー、印刷インキ、ポリマー及び類似の皮膜
- 繊維強化されているか否にかかわりなく積層品を含むが、その他の繊維をは含まない、ポリマー及び類似の材料
- 紙及び板紙
- 天然か合成かを問わない繊維
- ガラス、セラミック、金属材料
- 全体染色されているか否かにかかわりないその他の材料
(例:木材、ファイバーボード、ハードボード、骨及び皮革)
- 痕跡を残すことを意図した材料
(例:鉛筆の黒鉛材料及びペンのインキ)
- 成形用粘土を含む柔軟な成形材料及びゲル
- フインガーペイントを含む塗料、ワニス、ラッカー、つやだし粉及び玩具内に固体又は液体の形で表れる類似材料
エコマークの再生プラスチックの有害化学物質の基準もほぼこれと同じです
(新規格では、消耗品も対象になり、消耗品の基準もこの規格に準拠してます)
製品の安全性の確保のためには、いろいろな基準や法律などがありますが、優先順位をつけて、順次進めて行く必要があると思います。
理想的な事を考えると、非常な労力と費用がかかります。
誤って口に入る恐れのある製品は、このBS EN 71-3の基準をクリアーする事が当面の目標になるのではと思います。 |