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  <8> KTRニュース

 

 

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第 1回 「LD50(エルディーゴジュウ)」について
第 2回 「ストレスクラック」について
第 3回 促進試験について
第 4回 N(ニュートン)について
第 5回 製品の安全性(有害物質について)
第 6回 分析について
第 7回 「品質工学」(タグチメソッド)について 1
第 8回 「品質工学」(タグチメソッド)について 2
第 9回 「品質工学」(タグチメソッド)について 3
第10回 VOC(揮発性有機溶剤)シックハウス症候群について
第11回 RoHS(ローズ)について
第12回 安全係数について
第13回 環境マネージメントシステムについて
第14回 アクリルについて
第15回 PBB(ピービービー),PBDE(ピービーディーイー)について
第16回 「可塑剤(かそざい)」について
第17回 「水と油はなぜ混ざらないのか」
第18回 化審法(かしんほう)について
第19回 湿度(しつど)について
第20回 「HACCP(ハサップ)」食品の安全性確保
第21回 「プラスチックの見分け方(赤外分析)」について
第22回 「REACH(リーチ)規制(新化学物質規制)」について
第23回 「積層造形(ラピッドプロトタイピング)」について
第24回 「ボールタック試験(粘着性の試験)」について
 第5回

★今回のKTRニュースのテーマは製品における有害物質についてです。
第1回目の「LD50(エルデーゴジュウ)」と関連があるテーマです。

製品の安全性(有害物質について)

製品の安全性については、製品の形状によるバリや、呑み込んで息がつまる等の物理的な安全性と、誤って口に入った時の化学的安全の二つがあります。
今回は、誤って口に入る(子どもがなめたリ、食べたりしたとき)場合の安全性について説明させてもらいます。

最近は、有害化学物質については非常に関心が高く、どの企業も製品の中に有害物質が含まれていないことに注意を払っています。
製品の中に入っている有害化学物質は、誤飲による人体の安全性と環境に排出された時の環境汚染の2つの面から規制されています。
環境汚染にかかわる有害化学物質の規制は、該当物質の種類が多いので、今回は、誤飲による人体の安全性について説明させてもらいます。

誤飲による化学物質の基準としまして、

1.BS EN 71-3 玩具の安全性(第3部 特定元素の移行)

2.ST-2002 玩具の安全基準書(STマークの基準)

3.エコマークの再生樹脂の基準

等があります。
この中で、1.BS EN 71-3(イーエヌ ナナジュウイチのサン)がベースになっていて、2.、3.はこのEN71-3をベースにしています。

1.のBS EN 71-3 玩具の安全性の基準は、英国規格(BS)として作られそれが、欧州規格(EN)になったものです。

内容は、対象が玩具(おもちゃ)なので、乳幼児対象の商品で、子どもがなめたり誤って呑み込んだり、食べたりした時に、胃のなかの胃酸で有害物質が溶け出て体内に吸収された場合を想定しています。

この規格で規制されている化学物質と許容量について紹介します。

< 基 準 表 >
    (1)通常品   (2)成形粘土及びフインガーペイント
1.アンチモン (Sb)
60
 
60
 
2.ヒ素 (As)
25
 
25
 
3.バリウム (Ba)
1000
 
250
 
4.カドミウム (Cd)
75
 
50
 
5.クロム (Cr)
60
 
25
 
6.鉛 (Pb)
90
 
90
 
7.水銀 (Hg)
60
 
25
 
8.セレン (Se)
500
 
500
 
(単位 ppm=mg/kg:溶液の濃度)
 

以上の8種類の重金属です。

この規格値はあくまで、胃酸を想定した塩酸溶液に溶けだした塩酸溶液の分析値です。
製品に含有されていても、塩酸溶液に溶けださなければ問題はありません。
(環境関連の規制では、溶出ではなく廃棄後の事を考えているので、含有規制が多いです)


実際のEN 71-3の規格には、製品を材料ごとに9種類に分けていて、それぞれのを分析するための前処理が細かく書かれています。
9種類の分類を以下に紹介いたします。

  1. 塗料の皮膜、ワニス、ラッカー、印刷インキ、ポリマー及び類似の皮膜
  2. 繊維強化されているか否にかかわりなく積層品を含むが、その他の繊維をは含まない、ポリマー及び類似の材料
  3. 紙及び板紙
  4. 天然か合成かを問わない繊維
  5. ガラス、セラミック、金属材料
  6. 全体染色されているか否かにかかわりないその他の材料
    (例:木材、ファイバーボード、ハードボード、骨及び皮革)
  7. 痕跡を残すことを意図した材料
    (例:鉛筆の黒鉛材料及びペンのインキ)
  8. 成形用粘土を含む柔軟な成形材料及びゲル
  9. フインガーペイントを含む塗料、ワニス、ラッカー、つやだし粉及び玩具内に固体又は液体の形で表れる類似材料

エコマークの再生プラスチックの有害化学物質の基準もほぼこれと同じです
(新規格では、消耗品も対象になり、消耗品の基準もこの規格に準拠してます)

製品の安全性の確保のためには、いろいろな基準や法律などがありますが、優先順位をつけて、順次進めて行く必要があると思います。
理想的な事を考えると、非常な労力と費用がかかります。
誤って口に入る恐れのある製品は、このBS EN 71-3の基準をクリアーする事が当面の目標になるのではと思います。




 第6回

★今回は、分析につきまして簡単に紹介させていただきます。

分析について

分析と言えば、皆さん大変難しいように思ってられる方が多いと思います。
できるだけ、簡単に紹介させてもらいます。


まず、なぜ分析を行うかですが、これには2つの目的があると考えられます。
  1. クレームで、商品に異物が付いている。これが何か知りたい。わかれば、原因究明と対策が立てられると言う場合です。
  2. 次に、最近多いのがこれですが、環境問題にからんで、商品の中に何か有害物質が入っていないかの確認です。エコマークの申請や、外部からの問い合わせ等によく行われます。

すこし、専門的になりますが、分析には2種類あります。
A.定性分析(ていせいぶんせき)
B.定量分析(ていりょうぶんせき)

定性分析は、分析対象の中に、どのような物質が入っているかを調べるものです。
一方、定量分析は対象物質の中に調べようとしている物がどれだけ入っているかを調べるものです。
目的に応じて、どの分析を行うかを決めます。まず定性分析を行った後で、その中の特定物質だけを定量分析を行うことがよくあります。

次に、分析機器について説明させてもらいます。

最近の分析は機器分析が中心になっています。
昔の化学の実験のように、フラスコのなかに試料を入れて、なにかの試薬を入れ、振り混ぜて色の変化から、何が入っていると言う様な分析はほとんど見られなくなりました。
今は、分析機器の中に試料を入れると、分析機械が自動的に分析を行い、コンピューターが分析結果をプリントアウトしてくれるのが普通です。
ただし、試料を分析機器に入れられる様にする、前処理は昔とあまり変わっていません。


前処理とは、分析しようとする試料を分析機器に入れられるように処理することです。
試料は固体の物が多いと思いますが、これを試料にあった液体に溶かす必要があります。
また、試料が汚れておれば、不純物を取り除かなければなりません。
いろんな素材でできている場合には、素材ごとに分離しないと測定できません。
この前処理が非常に重要で、一旦分析機器に前処理した試料を入れますと、あとは自動的に分析がおわるからです。間違った前処理を行った試料でも、それなりの結果はでます。
そして、その結果で判断をしてしまう訳です。

それでは、具体的に代表的な分析機器を紹介いたします。

1)赤外分析(赤外吸収分析)>IR(アイアールとも言われます。
(用途)
これは、フイルムやのり、樹脂製品等によく使われる分析です。
フイルムがなにから出来ているのか。PPかPSかPETかPEかなどを調べるものです。
最近は感度が上がってきて、フイルムの樹脂の中の安定剤とか、老化防止剤とか静電気防止剤の成分の分析にも使われます。
基本的には、シート状の試料の分析に使われます。

(原理)
赤外線をシートに当てると、それぞれの物質は、特定の波長の赤外線だけを吸収します。
したがって、その吸収波長からその試料がなにかが分かるわけです。
赤外線は赤外と言うわけですから、赤色より波長が長い光線で、人間の目には見えません。
赤外線は、熱線と言われるように、物を暖める働きがあります。暖めるとはどう言うことかと言いますと、赤外線を当てた物質の分子を振動さすことです。
温度が高いと言うことは、この振動が多きいことを言います。

実際はもう少し複雑で、分子の中に含まれて原子同士の結合ごとに、特定の吸収波長が決まっていて、それらを総合して、もとの分子状態を再構成します。
非常に手軽に分析できるので、有機物(炭素や水素が中心の物質)の場合は取りあえず赤外線分析をする場合が多い。
これは基本的には、定性分析です。



2)ガスクロ(ガスクロマトグラフィー)>GC(ジーシーとも言われます。
(用途)
これは、試料が液体または気体の場合に使われる分析機器です。混ざった液体成分を成分ごとに分離して、それぞれがどんな物質であるかを調べます。

(原理)
細長い管(カラムと言います)を暖めておき、その中に分析したい試料を微量入れます。カラムの中には充填剤がはいっていて、その中を試料が気体になって流れてゆきます。流れる速さが物質により違っており、早く流れるものは早くカラムの出口から出てきます。このようにして試料の中の物質が分離されます。試料をカラムに入れてから、出てくるまでの時間でその物質がなにかが分かるようになっています。
したがって、このカラムの選択が難しいことと、標準物質のそのカラムでのデーターがそろっていることが必要になります。
基本的には、定性分析ですが、分離された物質のチャート(図の事です)の山の高さから、半定量が可能な場合もあります。



3)ICP分析(発光分析)>(アイシーピー分析)
inductively coupled plasma(高周波誘導結合プラズマ)の頭文字から、ICPと言われます

(用途)
最近はやりの、重金属の定量分析用の分析機器です。サンプルを溶液に溶かすだけの前処理でほとんどの重金属の定量分析が一度でできるので、非常にすぐれた分析機器です。最近の環境問題で、微量の重金属でも入っていてはいけない場合があります。その時の分析に威力を発揮します。
欠点としましては、この測定機器の値段が非常に高いことです。そのため、分析費用が高くなります。

(原理)
発光分析の仲間です。発光とは原子を高温にしたときに出る光のことです。花火で色々な色がでるのは、火薬の中にいろんな金属を入れているので、その金属が熱せられて金属特有の色をだしているからです。これとまったく同じ原理で元素を発光させています。
熱を加える装置が高周波を使ているので、ICPと呼ばれています。
発光した光をプリズム(もしくは回折格子)で分けて、色を特定してその色から物質を特定します。
また、その光の強さから、その物質の量を測定します(定量する)



以上、代表的な機器分析機を紹介させてもらいました。

どの分析を行うのか、また分析機器をくみあわせるのかは、目的や費用、期間を考え、また過去の経験をふまえて決める必要があります。

私の経験では、極論を言えば分析できないものは無いと思います。ただし、これは費用を考えない場合です。
実際はこのような事はなくどこかで妥協して分析内容をきめます。

分析を外部に依頼した場合は標準的には、納期は約2週間です。また費用の方はピンキリですが、エコマークの重金属分析で(6〜8元素)で10万円以下が相場です。

 

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