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  <8> KTRニュース

 

 

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第 1回 「LD50(エルディーゴジュウ)」について
第 2回 「ストレスクラック」について
第 3回 促進試験について
第 4回 N(ニュートン)について
第 5回 製品の安全性(有害物質について)
第 6回 分析について
第 7回 「品質工学」(タグチメソッド)について 1
第 8回 「品質工学」(タグチメソッド)について 2
第 9回 「品質工学」(タグチメソッド)について 3
第10回 VOC(揮発性有機溶剤)シックハウス症候群について
第11回 RoHS(ローズ)について
第12回 安全係数について
第13回 環境マネージメントシステムについて
第14回 アクリルについて
第15回 PBB(ピービービー),PBDE(ピービーディーイー)について
第16回 「可塑剤(かそざい)」について
第17回 「水と油はなぜ混ざらないのか」
第18回 化審法(かしんほう)について
第19回 湿度(しつど)について
第20回 「HACCP(ハサップ)」食品の安全性確保
第21回 「プラスチックの見分け方(赤外分析)」について
第22回 「REACH(リーチ)規制(新化学物質規制)」について
第23回 「積層造形(ラピッドプロトタイピング)」について
第24回 「ボールタック試験(粘着性の試験)」について
 第11回
★今回は、ヨーロッパで施行される環境規制で、非常に関心を集めているRoHS(ローズと読みます)について、説明させてもらいます。

RoHS(ローズ)

まず、RoHS(ローズ)の言葉の意味から説明させてもらいます。
RoHS(ローズ)は「電機電子機器に含まれる特定有害物質の使用
制限に関する指令」の事です。
英語では、以下のようになります。
estriction of the use of certain Hazardous Substances in electrical and electronic equipment」
この英語の頭文字を取って、RoHS(ローズ)と言っています。
英語の単語を説明しますと次のようになります。

Restriction of use  :  使用制限
certain Hazardous Subusutances  :  特定有害物質
electronic equipment  :  電機電子機器

EU(欧州連合)が、環境の汚染を防ぐために決めた規制です。

それでは、内容についてもう少し具体的に内容を説明いたします。
まず、対象有害物質とはどのような物でしょうか。

<対象有害物質>(含有基準)

  電機、電子製品に含有してはいけない物質は、以下の6物質です
*カドミウム (Cd)    
*鉛 (Pb)    
*水銀 (Hg)    
*6価クロム (Cr6+)    
*PBB (ポリ臭化ビフェニル)  :  樹脂の難燃材
*PBDE (ポリ臭化ジフェニルエーテル)  :  樹脂の難燃材
(注)クロムは6価と3価があり、6価のほうが毒性が強いので、6価のみが対象になっている。
それでは、この規制はいつから実施されるのでしょうか。

<実施時期>

2006年7月1日以降EU内で上市する製品については、上記の6物質を含有してはいけない事になります。

この規制は製品の中に含有してはいけない規制です。玩具の規格のBS EN71-3の溶出基準とは違います。
エコマークの有害基準(No.112 文具・事務用品)も少しあいまいな所がありますが、基本的には溶出基準です。
(溶出基準とは有害物質を含んでいても、特定の溶媒に溶出した分だけ分析して、その量が基準内であればよいものです) したがって、含有の基準より甘くなります。

しかし、今後の方向としては、すべての基準が含有に移行しようとしています。

参考に、エコマークの基準になっているBS EN71-3について説明いたします。

<エコマークの有害物質の基準>(溶出基準)

BS EN71-3の基準 (8物質です
アンチモン (Sb)
60ppm
ヒ素 (As)
25ppm
バリウム (Ba)
1000ppm
カドミウム (Cd)
75ppm
クロム (Cr)
60ppm
(Pb)
90ppm
水銀 (Hg)
60ppm
セレン (Se)
500ppm
これは、溶出(特定の液体に溶け出た分の分析値)の基準です。
しかし、含有がこれ以下であれば当然基準に合致します。

つぎに、含有しない最低濃度について説明いたします。

<RoHSの含有しない最低濃度>

含有してない事と言っても、まったくゼロということは実際問題ありえません。
最近は分析精度が上がってきており、ゼロと言う事はありません。
水道水にもいろんな物質が入っていますし、空気中にも微細なごみが浮遊しています。

そこで、下限値として、今のところ次の値とされてます。
*カドミウム (Cd)  
100ppm
*鉛 (Pb)  
1000ppm
*水銀 (Hg)  
1000ppm
*6価クロム (Cr6+)  
1000ppm
*PBB (ポリ臭化ビフェニル) :樹脂の難燃材
1000ppm
*PBDE (ポリ臭化ジフェニルエーテル) :樹脂の難燃材
1000ppm
(ppm:百万分の1の単位)
これは、自動車の廃車の基準とされている、ELV(End of Life ehicles)の基準にあわそうとしているためです。

今回のRoHSの対象製品はどのような物でしょうか

<対象範囲>
RoHSで規制されているのは電機、電子製品です。しかし、日本の家電メーカーでは製品本体だけでなく、包装、取扱い説明書なども含めて対策を取っています。

最後に、今回の有害物質の分析機器につきまして、少し説明いたします。

<測定機器>
実際にこのような微量な物質をどのようにして分析するのでしょうか。また、製品の部材ごとに分析する必要があるので、試料数が膨大な数になります。
したがって、費用と時間がかかるので、なるだけ簡単に分析できて、なおかつ精度の良い分析機が必要とされます。

今のところは、精度から言えばICP(アイシーピー)発光分析機があります。
これは、精度が非常に高いのですが、分析をするのに試料を液体にする必要がある事(前処理と言います)、成分ごとに分析する必要があります。
そのため、費用と時間がかかります。

それで、効率を考えて蛍光X線分析機を使用する場合が多いです。これはRoHSの6物質を同時に測定でき(注)、前処理も固体のまま分析できます。いままでは、精度が低かったが、かなり改良されてきています。
(注)6物質同時ですが、6価クロムはクロムとして分析します。また臭素化合物も臭素として分析します。

以上、簡単にRoHS(ローズ)について説明させてもらいました。
家電業界では、すでに数年前から対策を行い、今では対策が終了しつつあります。




 第12回

★今回は、前回とは違い,物や建物の設計に使われる「安全係数」について簡単に説明させてもらいます。

安全係数


最近は日本をはじめ、世界中で地震が起こっているように思います。
その時、建物や橋などが崩壊する場面をテレビ等で見る時があります。
建物や橋がどのように設計されているのか気になりますね。
日本はもともと地震国なので、十分に安全性を考えて設計されているはずです。
そこで、物や建物を設計する時に、安全係数をどれぐらいしているのかを知りたいと思います。

それでは、安全係数とはどのようなものなのでしょうか。


<安全係数の定義>
今、直径が1mmφの鉄のワイヤーがあるとします。それを天井に固定して、下側に重りを吊り下げたとします。
はたして、何kgの重りを吊り下げることが出来るでしょうか。


1mmφなので、断面積が0.785muになり、24kg×0.75=18.8Kgで切れます。
ワイヤーに吊るす最大荷重を5kgとすると、安全係数は次のようになります。

 

したがって、安全係数が大きいほど安全な設計と言うことができます。

それでは、色んなものの安全係数はどのようになっているのでしょうか

<いろいろなものの安全係数>

  安全係数
エレベーター 10.0
飛行機 1.5(最大加速度9Gとしている)
グライダー 1.5
気球 5.0
ヘリポート 2.5〜4.5(構造により基準が変わる)
   
 1.5から10の間の安全係数を使用しています。

物や建物を設計する為には、安全係数が決まっているだけでは設計はできません。まず設計しようとする物にかかる最大荷重を決めないといけません。
これは、法律で決まっている場合もありますし、設計者が独自に
決めないといけない場合があります。


<最大荷重>
例として、エレベーターの場合を考えてみます。
エレベーターには、定員人数が決まっています。また一人当たりの荷重は80Kgと法律で決まっています。
8人乗りだとすると、8人×80kg=640kgとなります。
安全係数が10なので、エレベーターを吊っているワイヤーが切れる荷重は6400kgと言うことになります。
(エレベーターは定期的に点検していますし、もし吊り下げのロープが切れても、側面のガイドレールを自動的に挟んで止まります。)

エレベーターの様に最大荷重が決まっている場合は簡単なのですが、通常最大荷重が決まってない場合が普通です。

飛行機の場合は定員が決まっているので、飛行機にのっている荷重は乗員と器材と燃料と飛行機自身の重量の合計になります。
しかし、離陸の時の加速や着陸時の衝撃、また乱気流による揺れ等色んな荷重が加わります。
また、飛行機の機体の場所ごとに加わる荷重は違ってきます。どこにどれだけの荷重がかかるのかは難しい問題です。
これは、各メーカーのノウハウの部分です。コンピューターによるシュミレーションや模型を使っての計測などにより決めます。

さらに、荷重も1度だけかかるのではなく、何回も加わり、その強さと方向も変
わってきます。


安全係数が大きいほうが安全と言いましたが、あまり大きくすると材料寸法が大きくなり、全体が重くなります。飛行機などは、重くなりかえって安全性が下がります。
また、材料寸法が大きくなるとコストもかかります。
それで、経済性とか全体の調和を考えて、安全係数を決める必要があります。

それでは、物や建物を設計する手順を説明いたします。


<設計の手順>
安全係数の定義の所で使用しました、重り(荷重)を天井から吊り下げる
場合の設計を考えます。
(まず、最大荷重を考え、安全係数を考えて、ワイヤーの材料、太さを決めること)

吊り下げる最大荷重を50Kgとします。
この場合は重い物をつり下げるので、万一ワイヤーが切れると危険なので、安全係数としては6倍ぐらい必要ではないかと思います。

そうすると、50Kg×6倍=300Kgに耐えるワイヤーが必要になります。

  (引張り強度)    
24kg/mu
   
アクリル
6.5Kg/mu
   
ジュラコン
6.8Kg/mu
   
ABS樹脂
4.0Kg/mu
   


     
したがって、   (断面積) (直径)
 
12.5mu
4.0mmφ
  アクリル
46.2mu
7.7mmφ
  ジュラコン
44.1mu
7.5mmφ
  ABS樹脂
75.0mu
9.8mmφ

となります。

(ただし、樹脂の場合はクリープや、材料のばらつき、温度の影響等があり、今回の安全係数6以上を使用する必要があると思います。)

非常に簡単な例を説明させてもらいました。

 

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