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  <8> KTRニュース

 

 

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第11回 RoHS(ローズ)について
第12回 安全係数について
第13回 環境マネージメントシステムについて
第14回 アクリルについて
第15回 PBB(ピービービー),PBDE(ピービーディーイー)について
第16回 「可塑剤(かそざい)」について
第17回 「水と油はなぜ混ざらないのか」
第18回 化審法(かしんほう)について
第19回 湿度(しつど)について
第20回 「HACCP(ハサップ)」食品の安全性確保
第21回 「プラスチックの見分け方(赤外分析)」について
第22回 「REACH(リーチ)規制(新化学物質規制)」について
第23回 「積層造形(ラピッドプロトタイピング)」について
第24回 「ボールタック試験(粘着性の試験)」について
第25回 「化学物質の安全性」について
 第17回

★今回のテーマーは、誰でも一度は疑問に思う「水と油はなぜ混ざらないのか」です。

水と油はなぜ混ざらないのか

皆さんは、だれでも水と油は混ざらいことをよく知っておられると思います。また、なぜ混ざらないんだろかと疑問に思われたこともあると思います。

私は昔小学校時代、水と他の液体との関係に非常に興味があったのを覚えています。水以外の液体と水とはどのように違っているのか興味がありました。

ドレッシングで上下2層になったものがあります。使う時に良く振って混ぜてから使うものです。比重の関係で当然、軽い油分が上で下が水です。

日本酒は水にアルコール分が十数%溶けています。水とアルコールは良く混ざりあい(溶け合う)ます。2層に分かれたドレシングとは何かが違います。

 

<混ざるとはどう言うことか>
2つの物が混ざり合う(正確には溶け合う)ためには、表面張力(後で説明いたします)の値が近いことが必要です。この値が離れているとお互い同士混ざりあわないで、その物だけで集まり2つの液体は分離します。

たとえば、Aと言う液体とBと言う液体を混ぜた場合、Aの液体の分子同士の引き合う力(これが表面張力の正体です)と、Bの液体の分子どうしが引き合う力が大きく違っていると、Aの分子とBの分子との引き合う力が弱くなってしまいます。そのためAの液体とBの液体は混ざりあわずに、分離してしまいます。

混ざりあうためには、Aの液体の分子同士の引き合う力とBの液体の分子同士の引き合う力が似通っていることにより、Aの液体分子とBの液体分子の引き合う力が強くなる必要があります。

次にこの表面張力の具体的な値を紹介いたします。

<表面張力とはなにか>
物質の分子どうしが引き合う力が表面張力です。Aという物質では、Aの分子の引き合う力がAの表面張力です。Bと言う物質ではBの分子の引き合う力が表面張力です。

表面張力の値(数字が大きいほど表面張力は大きい)

72.8
石油
26.0
ベンゼン
28.9
エチルアルコール
22.3
オリーブ油
32.0
パラフイン油
26.4
水銀
482.0

水はきわめて表面張力が大きいことがわかります。一方油(溶剤)の表面張力が小さいことも分かります。そのため水と油とは混ざりあわないのです。値が似た物同士は混ざり合います。油は油同士混ざり合います。また、水溶液同士も混ざり合います。

余談ですが、水銀は水より表面張力が大きいため、こぼすと玉になってころがります。玉になろうとする性質が表面張力によるものです。

では、なぜ水はこのように表面張力が大きいのでしょうか。

<水の性質>
水はほとんどの人がご存知のように、H2Oと書かれまして、酸素と水素が結合したものです。蓮(はす)の葉の上に水滴が丸くなって非常に綺麗に輝いているのを見たことがある人も多いと思います。なぜ、水は蓮の葉の上で丸い水滴になるのでしょうか。
また、雨も少し変形した球形です。そうすると、水は水滴になろうとする性質が強よいそうです。それでは、他の液体はどうでしょうか。食用油は蓮の葉の上で丸くなるでしょうか。
どうして、水は丸くなろうとするのでしょうか。それは、最初に書きました水の分子H2Oどうしが互いに強く引っ付こうとして丸くなるのです。これを表面張力と言います。と言うことは、表面張力が強いほど丸くなりやすいことになります。水はこの表面張力が非常に強い液体です。

水の表面張力が大きい理由として、次の2つの理由があります。


1,水素結合(すいそけつごう)
水は先ほど書きました様に、H2Oと書きますが、これはH2Oが1つだけあるのではなく、H2Oが非常に多く集まって水になっています。この時、1つのH2Oの酸素(O)と隣のH2Oの水素(H)が水素結合を結び合います。これはかなり強い結合です。OH基を持った物同士は、このように水素結合を作ります。

2,次に、極性(きょくせい)と言うものがあります
ご存知のように原子核の周りを電子が回っています。ところが、分子になった場合この電子が完全に球形に回っているのではなく、形が変形します。電子はマイナスに帯電してますので、分子の中でもマイナスに偏った所と、逆にプラスに偏った所ができます。そうしますと、分子のマイナスの所が隣の分子のプラスの所と引っ付こうとします。そのため軽い結合ができます。

以上の2点の理由により、水は分子同士の結合が強いため表面張力が大きいのです。

余談ですが、普通液体の沸点は分子量(分子を作っている原子の重さ)が大きくなるにつれて高くなります。水は例外的に分子量が低いにもかかわらず非常に高く100度です。これは、上で説明しました水の分子同士の結合が強いためです。このおかげで、地球には水が水蒸気にならずに、水として存在できるのです。

<SP値(溶解度パラメーター)>
表面張力と同じように使われるのにSP値(SolubilityParameter:溶解度パラメーター)と言うのがあります。これは、2種類の液体が溶け合う程度を表すものです。溶剤にプラスチックが溶けるかどうかとか、接着剤が表面にうまく塗れるとか、塗料が表面にうまく塗れるとか、樹脂同士がうまく混ざりあうとかに使われます。この値が近いと溶け合ったり、接着剤がうまく塗れたり、塗料がうまく塗れたりします。いわゆる、似た物同士は混ざりあうのたとえどうりです。この似た物の程度を表すのがSP値です。表面張力の値と非常に相関性が強い値です。

SP値(液体)
 
23.4
  エチルアルコール
12.7
  ベンゼン
9.2
  ノルマルヘキサン
7.3
  酢酸エチル
9.1

SP値(樹脂)
  塩ビ
9.6
  アクリル
9.2
  スチロール
9.1
  セルロース
15.6
  PET
10.7

これから分かるように、水のSP値はきわめて大きくほかの溶剤(ベンゼン等;油)とは離れています。そのため、水は油と混ざらないのです。アルコールは他の油(溶剤)より、この値が大きいので、水と混ざりあいます。お酒がこれで、水にアルコールが十数%溶けています。

それでは、水と油を混ぜ合わす方法はあるのでしょうか。

<水と油を混ざりあわす方法(界面活性剤)>
水と油はSP値が離れているために混ざりあわないと言う話をしましたが、これを混ざり合うようにする方法はないでしょうか。これの一番簡単な方法は皆さんご存知の石鹸です。水と油に石鹸水を混ぜると水と油が混ざりあいます。これは洗濯のとき油汚れが水に溶けて取れるので皆さんご存知のことです。

では、これはなぜそうなるのでしょうか。水をAとして、油をBとするとAとBは混ざりあいませんが、ここに石鹸水のCを加えるとAとBとCは混ざりあいます。これは、A-Bの間にCが入って、A-C-Bとなるために混ざりあうのです。もう少し詳しく説明しますと、石鹸のCの中には、水のAに近い成分と油のBに近い成分の両方が入っています。頭が水の成分で尻尾が油の成分で出来ています。それで、石鹸Cの頭の部分が水Aに溶けて、尻尾の部分が油Bに溶けるために、水と油が混ざりあうのです。この石鹸のことを専門用語で「界面活性剤(かいめんかっせいざい)」と言います。

「界面活性剤」は少し難しい言葉ですが、分かりやすく言えば「表面張力低下剤」です。水と油を混ぜることは日常的に多く行われています。インキやクリーム、化粧品、セメントとかいろいろな物を混ぜ合わせる場合に使われます。界面活性剤は最も種類の多い化学物質です。

以上、簡単に水と油はなぜ混ざり合わないかについて説明させていただきました。化学はどちらかといえば理論的なところが少なく、とっつきにくいですがこの溶解度パラメーター(SP値)は珍しく理論的です。非常に便利は数値で応用範囲が広いものです。




 第18回

化審法(かしんほう)について

皆さんは化審法(かしんほう)と言う言葉を聞かれたことがあるでしょうか。聞かれたことがある人でも中身がよくわからない方が多いのではないかと思います。
化審法と言うぐらいですから、化学に関係がありそうだと言うことは想像がつくと思います。

今回は化審法(かしんほう)について説明させていただきます。
化審法(かしんほう)は正確には、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」といわれるものです。
制定されたのは、昭和48年(1973年)で世界の他の国に先駆けて制定されました。

<化審法(かしんほう)とはどんなものでしょうか>
1973年(昭和48年)今から33年前に、世界で初めて化学物質の製造、輸入に際して安全性に関する審査を義務ずけたものです。
ある意味では自慢すべきものですが、それだけ日本が化学物質での問題が多かったと言う ことでもあります。
この法律が出来る時点で、すでに日本国内に数万点の化学物質が生産、使用されていましたが、これらは順次安全性の確認試験を行い、有害性があるかどうかを調べています。

化審法(かしんほう)とは要約すると
  1.すべての化学物質について安全性を審査し
2.基準以上のリスクのあるものについては分類して規制する
法律です。

ただし、この法律はもともと、環境で非常に分解されにくいもの(難分解性)を対象にしています。
したがって、微生物などによってある程度分解される物質は、どんなに毒性が強くても規制されない仕組みになっています。
つまり、これは有毒物の規制を目的としたものではなく、公害の防止を目的としたものです。

<なぜこの法律ができたのでしょうか>
この法律が出来たきっかけは、ポリ塩化ビフェニル(PCB)の公害問題です。
1968年(昭和43年)食用油の製造中、それを温めるためにパイプの中に入っていたPCBが食用油に混入して、その食用油を食べた人が皮膚障害(ニキビ状の吹き出物、皮膚や爪の黒変)や頭痛、手足のしびれ、肝臓障害などが引き起こされた事件である。
このPCBは鐘淵化学工業の「カネクロール」と言う商品名です。
認定患者数が1800人を超えました。

<PCB(ピーシービー)とは何か>
ポリ塩化ビフェニル(PCB)
有機塩素化合物でDDT(ディーディーティー)に類似した物質。
PCB(ピーシービー)と略称されます。
耐熱性,耐絶縁性に優れていることから、トランス、コンデンサー等に使用されていました。
昭和43年(1968年)米ぬか油に混入して食品中毒カネミ油症事件が起きました。現在は生産中止となり使用も禁止されています。

「水質汚濁に係る環境基準」
「地下水の水質汚濁に係る環境基準」
「土壌の汚染に係る環境基準」
「化審法」
「PRTR法」
の規制対象物質になっています。


 
Cl:  塩素が1個から10個まで付く

この塩素が臭素に代わるとローズで規制されている
PBB(ポリ臭化ビフェニール)になります。

<化審法(かしんほう)から除外される化学物質>

・放射性物質
・毒物、劇物の特定毒物
・食品
・医薬品
・農薬

これらは、化審法より厳しく規制されていると言う理由により「化審法」の適用を受けません。
しかし、この考え方は今の時代に合わなくなりつつあります。

<化審法での有害化学物質の分類>
化審法では、化学物質の有する性状のうち、「分解性」、「蓄積性」、「人への長期毒性」又は「動植物への毒性」といった性状(ハザード)や環境中での残留状況によって被害を生じる可能性(リスク)に着目して、規制区分や措置内容を規定しています。
これ以外の化学物質は一般化学物質として製造、使用が認められています。

分類
物質
性質
規制内容
第1種
特定
化学
物質
PCB等15物質 難分解性、高蓄積性及び長期毒性又は高次捕食動物への慢性毒性を有する化学物質
  • 製造・輸入の許可(事実上禁止)
  • 特定の用途以外での使用の禁止
  • 政令指定製品の輸入禁止
  • 回収等措置命令(物質・製品の指定時、法令違反時)
第2種
特定
化学
物質
トリクロロエチレン等23物質 難分解性であり、長期毒性又は生活環境動植物への慢性毒性を有する化学物質
  • 製造・輸入の予定/実績数量、用途等の届出
  • リスクの観点から必要に応じて、製造・ 輸入予定数量等の変更命令
  • 取扱いに係る技術上の指針の公表・勧告
  • 表示の義務・遵守勧告
第1種
監視
化学
物質
シクロデカン等22物質 <平成15年改正新設>
難分解性を有しかつ高蓄積性があると判明した既存化学物質
  • 製造・輸入実績数量、用途等の届出
  • 合計1トン以上について物質の名称、届出数量の公表
  • 指導・助言(環境汚染防止のため必要な場合)
  • リスクの観点から必要に応じて有害性
    (人又は高次捕食動物への長期毒性)調査の指示
第2種
監視
化学
物質
クロロホルム等842物質 <平成15年改正前における指定化学物質>
高蓄積性は有さないが、難分解性であり、長期毒性の疑いのある化学物質
  • 製造・輸入実績数量、用途等の届出
  • 合計100トン以上について物質の名称、届出数量の公表
  • リスク観点からの必要に応じて有害性(人への長期毒性) 調査の指示
第3種
監視
化学
物質
  <平成15年改正新設>
難分解性があり、動植物一般への毒性(生態毒性)のある化学物質
  • 製造・輸入実績数量、用途等の届出
  • 合計100トン以上について物質の名、届出数量の公表
  • リスクの観点から必要に応じて有害性
    (生活環境動植物への慢性毒性)調査の指示

 

<環境リスクとは何か>
リスクとは、ハザード(有害性)と暴露量とをかけあわせたものです。
そのハザードを決めているのが化審法で、暴露量を評価するのがPRTR法です。
化学物質を規制する法律はいろいろありますが、ほとんどが廃棄物の目的にあわせた法律、この化審法とPRTR法がほとんどすべての化学物質を包括した法律です。

<新規化学物質の審査内容>
新規化学物質を製造または輸入しようとする者は、当該新規化学物質にかかる届書を、 厚生労働大臣、経済産業大臣、環境大臣に提出する必要があります。
(試験項目)
(1)微生物による化学物質の分解度試験
(2)魚介類の体内における化学物質の濃縮試験
(3)細菌を用いる復帰突然変異試験及びほ乳類培養細胞を用いる染色体異
   常試験による変異原性試験
(4)ほ乳類を用いる28日間の反復投与毒性試験
以上の内容です。

<既存化学物質の安全性点検>
昭和48年(1973年)に化学物質審査規制法が公布された際に、すでに業として製造され、または、輸入されていた化学物質として約2万種、そして5万物質が「既存化学物質名簿」に収載されています。
経済産業省が分解性及び蓄積性の試験を、厚生労働省が毒性試験を実施しており、これらの結果については毎年官報等に公表されています。

<EU版化審法(REACH:リーチ)について>
今話題になっているリーチです。これは、EUが制定しようとしているものです。
EUの欧州委員会が、新化学物質規制の草案を、平成15年5月に発表しました。
化学物質の登録、評価、許可、制限を一つに統合するシステムです。
目的は、化学物質への暴露に対して、人の健康および環境の保護の強化し、EUの化学産業の競争力と技術革新能力の維持・強化めざすことにあると言われています。


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