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第100回目

第100回「防水・耐水・撥水」について

今回は、水に関する試験をまとめさせていただきます。
JISでは、防水関連の試験が下記のようにいくつかの項目に分かれています。

JIS C 0920   「電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)」
JIS L 1092   「繊維製品の防水性試験方法」
JIS B 7021   「一般用防水携帯時計-種類及び防水性能」
JIS B 7023   「潜水用携帯時計-種類及び性能」
JIS Z 0302   「防水包装」
この中で、試験を実施することが多い「JIS C 0920」「JIS L 1092」についてまとめさせていただきます。

 

○ JIS C 0920 「電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)」

JIS C 0920 「電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)」では、携帯電話やカメラ等の電気機械器具に対する試験規格ですが、防水を謳うカバンやケース等にも試験をしている商品も多いです。
基準は、0等級(無保護)から8等級(潜水状態での保護)までの9段階に分かれています。
防水性能の製品には、IPX■と表記されています。
この■の部分に、どの段階の試験基準を満たしているかが記されています。
数値が高いほど、防水に優れています。

(例)防水機能を謳った製品は、下記のような物があります。
  ○携帯電話   IPX5、IPX7、IPX8
  ○イヤホン   IPX4、IPX5、IPX6、IPX7
  ○テレビ   IPX6、IPX7
  ○カメラ   IPX6、IPX7、IPX8
  ○バッグ   IPX3、IPX4、IPX5、IPX6、IPX7、IPX8

 

【 保護等級 0 級 】IPX0
<要約>
無保護
<定義>
 -
<条件>
 -

 

【 保護等級 1 級 】IPX1
<要約>
鉛直に落下する水滴に対して保護する。
<定義>
鉛直に落下する水滴によっても有害な影響を及ぼしてはならない。
<条件>
毎分に1回転する回転台に試料をセットし、降水量が1mm/分となるように水をかける。
試験時間は10分間。

 

【 保護等級 2 級 】IPX2
<要約>
15度以内で傾斜しても鉛直に落下する水滴に対して保護する。
<定義>
外郭が鉛直に対して両側に15度以内で傾斜したとき、鉛直に落下する水滴によっても有害な影響を及ぼしてはならない。
<条件>
15度に傾けた試験台に試料をセットし、降水量が3mm/分となるように水をかける。
2.5分間ずつ位置を変えて(4位置)、合計10分間試験する。

 

【 保護等級 3 級 】IPX3
<要約>
散水に対して保護する。
<定義>
鉛直から両側に60度までの角度で噴霧した水によっても有害な影響を及ぼしてはならない。
<条件>
回転台に試料をセットし、鉛直方向に対して±60度の位置から、10リットル/分の水を散水させる。
試験時間は、1分/㎡で5分間。

 

【 保護等級 4 級 】IPX4
<要約>
水の飛沫に対して保護する。
<定義>
あらゆる方向からの水の飛沫によっても有害な影響を及ぼしてはならない。
<条件>
回転台に試料をセットし、鉛直方向に対して±180度の位置から、10リットル/分の水を散水させる。
試験時間は、1分/㎡で5分間。

 

【 保護等級 5 級 】IPX5
<要約>
噴流に対して保護する。
<定義>
あらゆる方向からのノズルによる噴流水によっても有害な影響をおよぼしてはならない。
<条件>
回転台に試料をセットし、2.5~3.0mの位置から内径6.3mmの放水ノズルで、12.5リットル/分の水を放水する。
試験時間は、1分/㎡で3分間。

 

【 保護等級 6 級 】IPX6
<要約>
暴噴流に対して保護する。
<定義>
あらゆる方向からのノズルによる強力なジェット噴流水によっても有害な影響を及ぼしてはならない。
<条件>
回転台に試料をセットし、2.5~3.0mの位置から内径12.5mmの放水ノズルで、100リットル/分の水を放水する。
試験時間は、1分/㎡で3分間。

 

【 保護等級 7 級 】IPX7
<要約>
水に浸しても影響がないように保護する。
<定義>
規定の圧力及び時間で外郭を一時的に水中に沈めたとき、有害な影響を生じる量の水の侵入があってはならない。
<条件>
試料を下記の条件で30分間沈める。
試料の高さが850mmに満たない場合は、再下端が水面から1mの位置にセットする。
試料の高さが850mm以上の場合は、再上端から水面までの距離が150mmの位置にセットする。

 

【 保護等級 8 級 】IPX8
<要約>
潜水状態での使用に対して保護する。
<定義>
関係者間で取り決めた数字7より厳しい条件下で外郭を継続的に水中に沈めたとき、
有害な影響を生じる量の水の侵入があってはならない。
<条件>
試験条件は当事者間で決める。(加圧できる装置に試料をセットする等)

 

○ JIS L 1092 「繊維製品の防水性試験方法」

JIS L 1092 「繊維製品の防水性試験方法」では、繊維製品の防水の試験規格が定められています。
防水性は、耐水性・撥水性・漏水性などの総称です。
この規格も耐水性(1,耐水度試験)・撥水性(2,撥水度試験)・漏水性(3,雨試験)に分かれています。
ただ、漏水性(3,雨試験)はあまり実施されませんので、割愛させていただきます。

これらの試験について、必要がある場合は、洗濯処理・ドライクリーニング処理・耐候処理を単独又は組み合わせて実施してから、試験する場合もあります。

 

 

【 1,耐水度試験(静水圧法) 】 主に通気性が無い繊維製品が対象
この試験は、A法(低水圧法)と B法(高水圧法)の2種類がある。
  A法(低水圧法)  主に防水帆布、靴用布及び防水加工したものが対象。
  B法(高水圧法)  主に通常10kpa以上の水圧に耐えるものが対象。

A法(低水圧法)

試験結果は、500mmや1000mm、10000mm等の水位で表される。
これは、対象とする生地の1c㎡に、何mmの水柱の圧力に耐えられるかを表しています。
耐水圧が10000mmだと、1c㎡の面積の生地に10000mm(10m)の水柱まで耐えることが出来ます。
ちなみに耐水圧10000mmは、強い雨の水圧に相当します。
数値が大きい程、水圧に強いということになります。

(例)耐水性能を謳った製品は、下記のような物があります。
  ○スノーボードウェア   5000mm、10000mm、20000mm
  ○スキーウェア   5000mm、10000mm、20000mm

 

B法(高水圧法)

試験結果は、100kpa、200kpa、300kpa等の水圧で表されます。
A法との相関性ですが、100kpa=約10000mmで換算出来ます。

(例)耐水性能を謳った製品は、下記のような物があります。
   製品によって、耐水機能の幅があります。
  ○テント   200kpa
  ○レインウェア   200kpa、300kpa
  ※1pa(パスカル)は、1㎡の面積につき1N(102g)の力がかかった時の圧力です。
1kpa=1000paです。1kpaは、1c㎡に約10gfの力がかかっています。

 

<条件>
A法、B法ともに防水処理がされている面を下向きにセットし、その面に水圧を加える。
■A法(低水圧法)
 ・600mm/分 又は 100mm/分の速度で水位を上昇させる。
 ・試料裏側の3箇所から水が出た時の水位をmm単位で測る。
■B法(高水圧法)
 ・100kpaの割合で水圧を加える。
 ・試料裏側の3箇所から水が出た時の圧力指示計の目盛りの1/2まで読み取る。

 

【 2,撥水度試験(スプレー試験) 】 主に通気性がある繊維製品が対象
 ・45度に傾いた試験装置に試料をセットする。
 ・スプレーノズルから、試料面に向けて250mLの水を25~30秒で散布する。
 ・散布後、軽く水滴を落とし、試料面と湿潤状態比較見本とを比較し、5段階で判定する。
  級数が高い程、撥水に優れています。

(例)撥水性能を謳った製品は、下記のような物があります。
  ○バッグ   撥水度5級
  ○着物   撥水度5級
  ○帽子   撥水度5級
  ○風呂敷   撥水度4級
  ○シューズ   撥水度4級

以上です。

防水や撥水性能を謳う製品は増えてきていますが、どの程度耐えうるものなのかまで記載されているのは少ないように感じます。
性能を検討や比較する上で、今回の記事が参考になれば幸いです。

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