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第28回目

第28回「熱可塑性プラスチックの熱分析」について

<熱可塑性プラスチックとは>
熱可塑性(ねつかそせい)プラスチックとは、熱を加えて熱くしてゆくと軟らかくなり水あめ状の液体になるものです。
例えれば、チョコレートのような物です。
熱可塑性プラスチックにはポリプロピレン(PP),ポリエチレン(PE),塩ビ(PVA)、ABS樹脂、アクリル、ポリエステル、ポリスチロール(PS)などがあります。
プラスチックには、熱可塑性プラスチックとは別の熱硬化性(ねつこうかせい)プラスチックと言われる物があります。フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂と言われる物です。
熱硬化性樹脂はビスケットに例えられます。熱を加えると固くなって固まる物です。

<熱分析とは>
熱分析(ねつぶんせき:thermal analytics)と言う言葉を聞かれた人は少ないと思います。
熱分析とは、物質の温度を一定の速度で変化させながらその物質の物理的性質を調べるものです。
おもに熱可塑性(ねつかそせい)プラスチックの分析に使われます。
代表的な熱可塑性プラスチックであるポリプロピレン(PP)で考えますと、寒くなり温度が下がると硬くなり折れやすく(割れやすく)なります。
逆に今度は温度を上げて行くとだんだん軟らかくなります。
温度によって、性質が大きく変わる水と比較してみたいと思います。
水は冷やしてゆくと0℃で氷になり液体から固体に変わります。逆にどんどん熱してゆくと、100℃でこんどは水蒸気になり液体から気体に変わります。
これは温度を下げてゆくと、水の分子の動きが小さくなり、0℃で水の自由な動きがなくなり結晶化して氷(固体)になります。
逆に温度を上げてゆくと、水の分子の動きが激しくなり、100℃で沸騰して水の分子が液体から大気中に飛びだして気体になります。
氷から水になる時は、熱を加えても氷がすべて解けないと温度が上がりません。
これは融解熱と言われ潜熱のひとつです。
また、沸騰するときもすべての水が水蒸気にならないと温度があがりません。
これは気化熱といわれます。

<ポリプロピレン(PP)と水との温度による性質の比較>
ポリプロピレン(PP)も水と同じように固体から液体に変化をします。
ただ水ほど急激な変化はありませんが、冷やすと固くなりもろくなります。
また温度を上げてゆくとみずあめ状の液体になります。

(表1)ポリプロピレン(PP)と水の温度による性質の変化の比較
 
常温での状態
温度を下げる
温度を上げる
ポリプロピレン
(PP)
固体
ガラスみたいにもろくなる
軟らかくなり液体になる
液体
氷(固体)になる
水蒸気(気体)になる
水は常温(通常の温度)では液体です。氷点下では水は当然氷になり固体です。
ポリプロピレン(PP)は常温では固体です。170℃以上に温度を上げて行きますとだんだん軟らかくなり、水あめ状になって行きます。
この固体から水あめ状に変化する温度が融点や軟化点と呼ばれています。
水の場合は0℃です。

<ろうそくとポリエチレン(PE)の比較>
次にポリエチレン(PE)とろうそくとの温度変化による比較を説明します。
ポリエチレンとろうそくとは基本の成分は同じです。しかしろうそくはもろくて簡単に折れますし、火をつけると簡単に燃えます。
また、少し温めると軟らかくなります。
ポリエチレン(PE)はろうそくよりねばり強く、なかなか折れたりしません。
この性質の差はなぜおこるのでしょうか。


(写真1)ろうそく(左)とPE(ポリエチレン)(右)

ろうそくとPE(ポリエチレン)は、共に炭素と水素で出来ており、炭化水素と呼ばれます。
H-C-Hがつながったものです。

H
H
C
C
H
H
  左の図のように H-C-Hがつながったものです。

左の図のように H-C-Hがつながったものです。
H-C-Hの分子量はHが1でCが12なので 分子量は 1+12+1=14となります。
厳密には、端のC(炭素)にはH(水素がもう一つ付きます)
このH-C-Hがつながった数が多ければ分子量が大きくなります。
分子量が大きくなると、下の表のように軟化点が高くなります。
なぜ、分子量が大きくなると軟化点が高くなるかと言いますと、分子量が大きくなると分子と分子の引き合う力が強くなり、そのためなかなか軟らかくならないためです。

熱分析では、この軟化点を測定することで、同じ成分であれば軟化点の高い方が分子量が大きいことが分かります。
同じポリエチレン同士で、この軟化点を測ることで、ポリエチレンの分子量の違いが分かります。

(表2)ろうそくとPE(ポリエチレン)の比較
 
常温での状態
軟化点
分子量
ろうそく (パラフィン)
固体
もろい
約60℃
分子量は小さい
ポリエチレン(PE)
液体
ねばり強い
低密度ポリエチレン
約100℃
分子量は大きい

熱分析機は、温度の変化によりプラスチックの性質がどのように変化するのかを調べるものです。測定する代表的な項目は次のようなものです。

  1. 軟化点
  2. 比熱
  3. 体積
  4. ガラス転移点
  5. ヤング率

逆に、温度による上記の項目の値から、その物の材質や添加材の種類やプラスチックの重合度などを調べます。

それでは、熱分析の内容について説明いたします。

1.示差熱分析(しさねつぶんせき) DTA
  Differential Thermal Analytics
試料及び基準物質の温度を一定のプログラムによって変化させながらその試料と基準物質との温度差を温度の関数として測定する分析方法です。

2.示差走査熱量測定(しさそうさねつりょうそくてい) DSC
Differential Scanning Calorimetry
試料及び基準物質の温度を一定のプログラムによって変化させながらその試料と基準物質との温度差を温度の関数として測定する分析方法です。
この温度差は、単位時間当たりの熱エネルギーの入力差に比例します。

(測定項目) 融解温度
  融解熱
  結晶化温度
  結晶化熱
  ガラス転移温度
  硬化温度

3.熱重量測定(ねつじゅうりょうそくてい) TG
Thermogravimetry
試料の温度を一定のプログラムによって変化又は保持させながら、その試料重量を温度又は時間の関数として測定する分析方法です。

4.動的粘弾性測定(どうてきねんだんせいそくてい) DMA
Dynamic Mechanical Analytics
試料の温度を一定のプログラムによって変化又は保持させながら、その試料の複素弾性率を温度又は時間の関数として測定する方法。
プラスチック性質を調べるのによく用いられる。
縦軸にヤング率(その物の硬さ)を取り、横軸に温度をとる。
そのプラスチックが何度で軟らかくなるか、そして何度で解けるかが分かります。
そのプラスチックが何度以下でもろくなるか(耐寒性能)が分かります。
ポリプロピレン(PP)は非常にすぐれたプラスチックですが、-20℃以下になるともろくなり、割れやすくなります。
熱可塑性のプラスチック(ポリプロピレン、ポリエチレン、ABS樹脂等代表的なプラスチック)は射出成型(インジェクション)で製品を作りますが、その時の射出温度はそのプラスチックの融点を参考にして決められます。
また、粘着剤の粘着性はゴム状態の時のヤング率の値が大切になります。

(表3)プラスチックのガラス転移点と融点
プラスチック
ガラス転移点温度(Tg)
融点(Tm)
天然ゴム(ポリイソプレン)
-70
28
ポリ酢酸ビニル
30
 
ポリエチレン(PE)
-110
130
ポリプロピレン(PP)
-20
170
タイロン6
47
225
ポリ塩化ビニル(PVC)
82
180
ポリメタクリル酸メチル(アクリル)
70
 
ポリスチレン
100
230

<ガラス転移点>
プラスチックの温度を低くして行くと、ある温度を過ぎると急に硬くなり、ガラス状になります。
ガラス状とは、ガラスみたいに硬くてもろい状態です。
ポリ酢酸ビニル(チューインガムの原料)は、ガラス転移温度は30℃で、通常の室内温度より高いのでガラス状で硬く感じます。
これを噛んでいると体温であたたまりガラス転移温度の30℃を超えるので、軟らかくなってきます。

5.熱機械分析(ねつきかいぶんせき) TMA
Thermomechanical Analytics
試料の温度を一定のプログラムによって変化させながら、圧縮、引っ張り曲げなどの非振動的荷重を加えてその物質の変形を温度又は時間の関数として測定する分析方法です。

<まとめ>
熱分析というのはあまりなじみのない分析だと思います。しかし、最近は急速に発達している分析方法です。特に温度で性質が変わるプラスチックにはなくてはならない分析方法です。
プラスチックの成型が同じ材料を使っているのかを調べる場合や、プラスチックの種類を調べるときや、プラスチックが何種類か混ざっているかを調べるのにも使われます。
プラスチックの代表的分析方法に「赤外分析」があります。これはそのプラスチックの構成成分を見るものです。構成成分が同じでも重合度が違うと性質(引っ張り強さ、軟化点等)は違ってきます。
そのため、プラスチックの分析には、「赤外分析」と今回の「熱分析」が必要になってきます。

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