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第50回目

第50回「静電気」について


今回はみなさんもよくご存じの静電気について説明したいと思います。
私は、車から降りるときドアにさわってピッと静電気で指先が痛くなります。
家の赤外線こたつでも、温度調節のダイヤルを触ったときもピッと静電気でびっくりします。
冬場(湿度が低い時期)はいつもいやな思いをしています。
それでは簡単に静電気について説明して行きます。

(1)<静電気の発生しやすい時期>
静電気は物の表面(人体も物です)に貯まります。
静電気が溜まると、ほかの物体に触った時放電するので、ピッと電気が走るのです。その時指先から電気が流れるので、局部的なやけどみたいになり、痛みを感じるのです。

あとで説明しますが、静電気は乾燥していると物に溜まりやすくなります。
乾燥していると言うことは、空気中に水分が少ないことです。
いわゆる湿度が低い時に静電気が溜まりやすくなります。
湿度が60%以上になると、物の表面にたまった静電気は、空気中の水の粒子がぶつかって徐々に放電されてゆきます。
そのため、湿度が高い場合は静電気は少なくなります。

冬場は寒くて乾燥している上に暖房するので、よけいに乾燥します。
閉め切った部屋で暖房すると、室温が1度あがると対湿度が約5%下がります。
湿度が30%以下になると、静電気が非常に発生しやすくなります。
逆に、湿度が60%を超えると静電気はほとんど発生しなくなります。

(2)<なぜ静電気が発生するのか>
2種類の物質がこすれると必ず静電気が発生します。
物質は原子から出来ていますが、原子は中心に原子核があって、その原子核の周りを電子が回っています。
原子核はプラスの電荷をもった陽子と電荷をもっていない中性子から出来ています。
電子はマイナスの電荷をもっていて、マイナスの電荷の数は陽子のプラスの電荷の数と等しくなっていて、原子全体ととしては電気的に中和しています。
ところが、原子の種類によって、原子核が電子を引きとめている強さが違うので種類の違った原子同士が接触すると、電子を強く引き付けている原子が、あまり原子を強く引き付けていない原子から、電子を引き抜きます。
そうしますと、電子を取った方はマイマスに帯電します。1方電子を取られた方はプラスに帯電します。
この様にして、違ったた物質どうしが接触するとお互いに帯電します。

(3)<雷(かみなり)>
静電気による放電は小さな雷と言えます。
雷は雲と大地が別の電荷で帯電していて、帯電量が多くなって、お互いに放電する現象です。
空気中を火花放電するので、大きな音と稲光(いなびかり)が出ます。
雷は、空気中の電気の流れやすいところを通ります。すなわち、空気中の水分が多い所を通ります。そのため稲光がギザギザに見えます。
通常の静電気では数千ボルトぐらいですが、雷の場合は数億ボルトになります。
雷による電流は金属などの電気を良く通す物を伝わって流れます。車の場合は、車の表面のボディーを流れるので車の中に乗っている人は安全です。

(4)<静電気体質>
静電気を体に溜めやすいい体質と言うのがあります。
静電気を体に溜めやすいい体質の方というのは、どちらかとうと言うと不健康な方が多いようです。
静電気を溜めやすいい人は、静電気を自然放電をするのが少ない方です。
健康な人の体内は弱アルカリ性で、皮膚表面は弱酸性です。しかし、体のバランスが崩れると体内も酸性になり、静電気を溜め易くなります。

(5)<静電気を防ぐ方法>
静電気の帯電を防ぐ1番の方法は、室内の湿度を上げることです。湿度が60%以上あれば、静電気の帯電はほとんどありません。
次に、人の体ですが、皮膚や髪の毛が潤っていると静電気がスット逃げて行きます。
冬の皮膚や髪の毛の乾燥を防ぐために牡蠣(かき)を食べると体の潤いが増えて静電気がたまりにくくなりると言われています。
次に、着ている服装の素材も関係します。
(8)の帯電列で説明しますように、ナイロン、アクリル等の合成繊維は静電気を溜めやすいです。綿などの天然繊維は静電気を溜めにくいです。

(6)<静電気による問題点>
静電気による問題点は、人がピッと放電するいやな感じだけではありません。
静電気の放電による火災事故があります。
ガソリンスタンドで給油している時、静電気の放電による火災事故があります。
セルフのガソリンスタンドでは給油する前に静電気を逃がす静電気除去マットがあります。
給油する前に必ず、それに触って静電気を逃がす必要があります。
ガソリンスタンドの従業員は静電気帯電防止タイプのユニホームや靴を着用しています。
次に、工場での精密機械の組み立ての時に、人に貯まった静電気による放電でIC(Integrated circut:集積回路)などを壊す場合があります。
そのため、工場内の湿度を上げたり、静電気を逃がす服や靴を履いたりします。
作業台もアースを付けて電気を逃がすようにしたりしています。

(7)<静電気の利用>
静電気は悪い面だけではありません。
静電気を使った有用な機械や装置があります。
(1)静電塗装
簡単に何かの物に塗装する場合、スプレー缶を使って塗装する場合があります。
しかし、この場合は塗料が塗装する相手にすべて付くわけではありません。
周りに飛び散りますし、相手に当たって反射する場合もあります。
吹き付けた塗料の内、塗装する相手に付く塗料の割合はかなり低いです。
と言うことは経済的ではありませんし、周りを汚したり、吹き付けている人が吸い込んだりして、健康にもよくありません。
そこで、以上の欠点を改良する方法として、塗装する物にプラスの電極をつなぎ、反対に吹き付ける塗料をマイナスに帯電しておくと、塗料が塗装する物体の方に飛んで行った時静電気力で塗装する物にうまく付着します。


(2)静電気利用の粉じん除去


(3)コピー機
コピー機は静電気をうまく利用しています。
レーザープリンターの原理を簡単に説明します。

1.感光ドラムと言うドラムをマイナスに帯電させておく
     ↓
2.次に、印刷しようとする文字などをレーザー光で、
  ドラムに照射してラムに原稿の文字に相当する所にマイナスの帯電をなくす
     ↓
3.次に、レーザー光を当てられた所に、トナー(黒い粉)を静電気的に付ける
     ↓
4.ドラムにのったトナーを、今度はコピー紙に転移させる
     ↓
5.コピー紙にのったトナーを熱ドラムで押しつけて紙に密着させる

以上の過程で、プリントが行われます。
1、3、4の所で静電気をうまく使っています。


(4)研磨紙の製造

(8)<帯電列>
違う物質どうしをこすり合わせると、静電気が起きます。
物質には電子を出しやすい物と、電子を受け取りやすい物ががあります。
電子を受け取った方がマイナスに帯電します。逆に電子を出した方がプラスに帯電します。
電子を出しやすい物と電子を受け取りやすい物を順番に並べたものが摩擦帯電列と言います。

マイナスになりやすいものから順にならべます。

こすった時、上側にある物がマイナスに帯電して、下側にある物が
プラスに帯電します。
同じ物でもこする相手によって、マイナスに帯電したり、プラスに帯電
したりします。
この列の離れた物どうしをこすると、強く帯電します。
したがって、服を重ねて着る場合は帯電列が近い物を切ると静電気が
あまりでません。

(9)<まとめ>
静電気は冬のピッという音や痛みだけの印象が強いと思います。
静電気という言葉は知っていても、あまり中身がよく分からものだと感じていました。
静電気はまだまだ良く分かっていない所があるそうです。しかし現在でもコピー機などに有用に利用されています。
静電気の研究がすすめば、もっと新たな利用や活用が増えてくると考えられます。
昔、初めてモーターが発明されて展示された時、それを見学にきた女性が「こんなおもちゃがなんの役にたつのか」と聞いたそうです。
静電気もこれと同じように非常に役立つものに使われる可能性があると思います。

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