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第104回目

第104回「毒」について

今回は「毒」について書きます。

 

(1) 毒とは何か

16世紀に活躍した医師のパラケルススは次のように言っています。
「すべての物質は有害である。有害でない物質はなく、容量によって毒であるか、薬であるかが決まる。」
すなわち、どんな物でも大量に食べれば死にいたることがあると言っています。

 

(2) GHS(化学品の分類および表示に関する世界調和システム)の分類

化学物質の危険性を表すのに、全世界共通の表示が必要になってきたので、このGHSが制定された。
 (Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals)
化学物質は私たちの生活の利便性をたかめてくれますが、その性質によっては危険性や有害性があり、取り扱うにあたって注意をする場合があります。
化学物質が世界的に流通しているなか、国によって表示内容が異なれば、化学物質を安全に製造、使用、輸送、廃棄することが困難になります。
このような観点から国際的に調和された化学物質の分類および表示が必要とされました。

 

(3) GHSの内容

毒性についてもう少し細かく分類しています。
毒性と言っても色々な分類があります。

急性毒性分類
経口
急性毒性
慢性毒性
経皮
気体
蒸気
粉塵およびミスト
呼吸器および皮膚感作性(ひふかんさせい:アレルギーの1種)分類
呼吸器感作性物質
皮膚感作性物質
発ガン性物質
水生環境への影響による分類基準

 

(4) 急性毒性

毒性の評価として、1番よく使われるのがこの急性毒性です。
半数致死量LD50)はこのようになっています。
基準は、ある物質をある状態の動物に与えた場合その半数が死にいたる量で表されます。
LD50(50%Lethal Dose)で表せます
体重1kg当たりのmg量です。数値が小さいほど毒性が強い。

(代表的なLD50の値)

ボツリヌス菌 0.00000037mg/kg
ダイオキシン 0.0006~0.002mg/kg
テトロドトキシン(フグ毒) 0.01mg/kg
サリン 0.35mg/kg
ニコチン(タバコ) 1~7mg/kg
青酸カリ 3~7mg/kg
DDT 110mg/kg
カフェイン(コーヒー) 200mg/kg
塩(食塩) 3000~3500mg/kg
エチルアルコール(酒) 5000~14000mg/kg


GHSの高い急性毒性を示す標章
(ウイキペディアより)

 

GHSの毒性の区分の評価

LD50/LC50の値(基準)

  区分1 区分2 区分3 区分4 区分5
経口 mg/kg 5 50 300 2000 5000
経皮 mg/kg 50 200 1000 2000  
気体 ppm/4h 100 500 2500 5000  
蒸気 mg/l/4h 0.5 2.0 10 20  
粉塵及びミスト 0.005 0.5 1.0 5  

(5) 日本の毒物、劇物の基準

GHSとは違うが、日本の毒物、劇物の基準が決まっています。
日本の毒物、劇物の基準は下記のようになっています。

LD50/LC50の値(基準)

  毒物 劇物
経口 mg/kg 50以下 50~300以下
経皮 mg/kg 20以下 200~1000以下
気体 ppm/4h 500以下 500~2500以下
蒸気 mg/l/4h 2.0以下 2.0~10以下
粉塵及びミスト 0.5以下 0.5~1.0以下

(6) 人間以外の生物に対する毒性

毒性は生物種によって大きく異なります。
ある生物種にとっては無害でも、別の生物にとっては猛毒であるものすらあります。
殺虫剤成分は害虫にたいしては毒性は強いが、人に対しては害がすくないものです。
イヌやネコにとってタマネギ(ネギ類全般)に含まれる硫黄化合物は毒となります。

 

(7) まとめ

最近は毒物に対して敏感になってきています。
特に食品関係は非常に過敏になっています。
最初に書きましたように、すべての物が量によって害がある場合があります。
食品で無くても、誤って口に入る物には気をつける必要があります。

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