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第30回目

第30回「有機溶剤(ゆうきようざい)」について

溶剤(ソルベント)とはあるものを溶かすものという意味です。
溶剤は大きく分けると、1.無機溶剤と2.有機溶剤になります。
無機溶剤の代表は「水」です。有機溶剤の代表はトルエン、キシレン、メチルアルコール、酢酸エチル等があります。
今回は有機溶剤(以下では単に溶剤と言う)について説明します。

(1)<なぜ有機溶剤を使うのか>
有機溶剤は水に溶けない物を溶かす時につかいます。水に溶けない物はいわゆる合成樹脂などです。合成樹脂の具体的な物として糊や塗料などがあります。
塗料のペンキなどを薄めるのにシンナーが使われます。シンナーは言葉どうり薄めるものと言う意味です。
なぜシンナーがいるかといいますと、ペンキを塗る時塗りやすいように粘度を低くして塗り易くするためです。
あまり粘度が高いと流動性が無くなりうまく塗れません。そのために薄める必要があるわけです。しかし、塗ったあとはシンナーは蒸発してペンキが乾燥します。
また、一般に有機溶剤は水より乾燥が早いので、早く乾きます。そしてペンキを塗る壁や家具などになじみやすい(表面張力が小さい)性質があります。
以上のような理由で有機溶剤が使われます。

(2)<有機溶剤の長所>

  1. 種類が多い。
     無機溶剤はほとんど水が中心だが、有機溶剤の場合は多くの種類があります。
     そのため、目的(乾燥する速さ、溶かすもの)に応じて使い分けができる。
  2. 溶かす相手がプラスチックなど有機物が多いので、有機溶剤が有利である。
  3. 乾燥が早い。(作業性が良い)
  4. 有機溶剤を何種類か混ぜ合わせることができる。
  5. 表面張力が小さいので、塗る相手に広がりやすい。

(3)<有機溶剤の欠点>
有機溶剤には、すぐれた点も多いが、欠点も多くあります。

  1. 水に比べたら圧倒的に費用が高い。
  2. 燃えるものが多いので、火災の危険がある
  3. 作業中に吸い込むと人体に有害である。
  4. 大気中に放散すると大気公害になる。
  5. 水に溶けないので、掃除が大変である。
  6. 燃えるのが多いので、機械装置や、電気装置を防爆型を使用しないといけない。
  7. 地面に流れ出すと、土壌汚染になる。

(4)<有機溶剤の分類(化学構造による)>
有機溶剤の種類について説明します。化学構造によって分類します。

  1. 芳香族炭化水素(ほうこうぞくたんかすいそ)
    芳香族とは、化学式の中にベンゼン環(亀の甲)を含んでいるものである。
      ベンゼン環
    代表的なものに、ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレンなどがあります。

  2. 塩化芳香族炭化水素
    1.の芳香族炭化水素に塩素が付いたものである。
    代表的なものに、クロルベンゼン、オルト-ジクロロベンゼンがあります。
  3. 塩化脂肪族炭化水素(えんかしぼうぞくたんかすいそ)
    1.メタン誘導体(ゆうどうたい)   ジクロルメタン
    クロロホルム(トリクロルメタン)
    四塩化炭素(テトラクロルメタン)
    2.エタン誘導体 1,2-ジクロルエタン
    1,1,1-トリクロルエタン
    1,1,2,2-テトラクロルエタン
    3.エチレン誘導体 1,2-ジクロルエチレン
    トリクロルエチレン
  4. アルコール類            メタノール
                        イソプロピルアルコール
  5. エーテル類             エチルエーテル
  6. ケトン類               アセトン
  7. グリコールエーテル類(セロソルブ)
  8. 脂肪族炭化水素          ノルマルヘキサン

(5)<有機溶剤に関わる法律>
有機溶剤は毒性を持ったものが多くあります。また良く燃えるものが多いので関係する法律はかなりの数があります。
その内代表的な法律について説明します。

A.<労働安全衛生法;有機溶剤中毒予防規則>
有機溶剤の中には吸い込むと有害な物がある。吸い込むと有害な物の規制がこの法律です。

(分類)
第1種有機溶剤等
1
クロロホルム
2
四塩化炭素
3
1,2-ジクロロエタン(別名 二塩化エチレン)
4
1,2-ジクロロエチレン(別名 二塩化アセチレン)
5
1,1,2,2-テトラクロルエタン(別名 四塩化アセチレン)
6
トリクロロエチレン
7
ニ硫化炭素
第2種有機溶剤等
第3種有機溶剤等

B.<毒物・劇物取締法>
有機溶剤の中には飲み込むと有害な物がある。また、吸い込むと幻覚作用を引き起こす物がある。

C.<消防法;危険物>
有機溶剤はそのほとんどが燃えるものである。
消防法では、危険物を第1類から第6類まで分類している。
有機溶剤は第4類の「引火性液体」に分類される。
第4類の「引火性液体」は引火点などにより次の7つに分類される。

1.特殊引火物   ジエチルエーテル、ニ硫化炭素等
発火点が100℃以下のもの
引火点が-20℃以下のもの
2.第1石油類 アセトン、ガソリン等
引火点が21℃未満のもの
3.アルコール類 メチルアルコール、エチルアルコール、ブチルアルコール等
4.第2石油類 灯油、軽油等
引火点が21℃以上70℃未満のもの
5.第3石油類 重油、クレオソート油等
引火点が70℃以上200℃未満のもの
6.第4石油類 ギヤー油、シリンダー油等
引火点が200℃以上のもの
7.動植物油 動物の脂や植物の種子や果肉から抽出したもの

D.<大気汚染防止法>
有機溶剤の多くの物が、大気汚染防止法の規制の対象物質である。
  1968年制定(昭和43年)

E.<水質汚濁防止法>
有機溶剤の多くの物が、水質汚染防止法の規制の対象物質である。

排水基準:有害物質(排水基準を定める省令別表第1)

 
物質名
許容限度
(単位;1リットル中の含有量:ppm)
1 カドミウム及びその化合物
カドミウム 0.1mg(0.1ppm)
2 シアン化合物
シアン1mg(1ppm)
3 有機リン化合物
1mg(1ppm)
4 鉛及びその化合物
鉛0.1mg(0.1ppm)
5 六価クロム
六価クロム0.5mg(0.5ppm)
6 ヒ素及びその化合物
ヒ素0.1mg(0.1ppm)
7 水銀及びアルキル水銀その他の水銀化合物
水銀0.005mg(0.005ppm)
8 ポリ塩化ビフェニル
検出されないこと
9 トリクロロエチレン 0.003mg
10 テトラクロロエチレン 0.3mg
11 ジクロロメタン 0.1mg
12 四塩化炭素 0.2mg
13 1,2ジクロロエタン 0.02mg
14 1,1ジクロロエチレン 0.04mg
15 シス-1,2-ジクロロエチレン 0.2mg
16 1,1,1-トリクロロエタン 0.4mg
17 1,1,2-トリクロロエタン 3mg
18 1,3-ジクロロプロペン 0.06mg
19 テトラメチルチウラムジスルファイド(別名チウラム) 0.02mg
20 2-クロロ-4,6-ビス(エチルアミノ)-s-トリアジン(別名シマジン) 0.06mg
21 s-4-クロロベンジル=N,N-ジエチルチオカルバマート(別名チオ(ベンカルブ)) 0.03mg
22 ベンゼン 0.2mg
23 セレン及びその化合物 0.1mg
24 ホウ素及びその化合物 海域以外の公共用水域に排出されるもの ホウ素 10mg 海域に排出されるもの ホウ素 230mg
25 フッ素及びその化合物 海域以外の公共用水域に排出されるもの フッ素 8mg 海域に排出されるもの フッ素 15mg
26 アンモニア、アンモニア化合物、亜硝酸化合物及び硝酸化合物 アンモニア性窒素に0.4を乗じたもの 亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素の合計量 100mg

F.<化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律
(化審法:かしんほう)>

有機溶剤の中には、化審法の規制対象物質がある。

G.<VOC:揮発性有機化合物>
有機溶剤の中には、VOCの規制対象物質がある。

Volatile Organic Compounds
常温、常圧で大気中に容易に揮発する有機化合物のこと
トルエン、ベンゼン、フロン類、ジクロロメタンなど洗浄剤や溶剤、燃料として産業界で幅広く使用されている。
大気や水質などへ放出されると、公害や健康被害を引き起こす。

次に、代表的な有機溶剤であるガソリンついて説明します。

(6)<ガソリン>
ガソリン(アメリカ:Gasoline,イギリス:Petrol)とは、石油製品の一つである。
沸点(ふってん)がセッシ30℃から220℃の範囲にある石油製品の総称である。
ガソリンは工業用ガソリンと自動車用ガソリンと航空機用ガソリンに分けられる。
自動車用ガソリンは間違いがないようにオレンジ色に着色されている。
工業用ガソリンはJIS K221:工業用ガソリンに規定されている。
工業用ガソリン(無色透明)は用途によって5種類に分けられる。

表1 工業用ガソリンの種類
種類 用途 引火点 蒸留範囲
1号 ベンジン 洗浄用 30℃~150℃
2号 ゴム揮発油 塗料用 80℃~160℃
3号 大豆揮発油 抽出用 60℃~90℃
4号 ミネラルスピリット 塗料用 30℃以上 ~205℃
5号 クリーニングソルベント ドライクリーニング用 38℃以上 150℃~210℃

(7)<エマルジョン>
有機溶剤の良さをなるだけ残して、有機溶剤の欠点をなるべく無くしたものがエマルジョンです。
糊の例で説明しますと、まず糊を有機溶剤に溶かします。つぎにそれを水と混ぜます。

水と有機溶剤は溶けないので、2層に分かれます。これを高速かくはんすると水の中に糊を溶かしこんだ有機溶剤が小さな粒子になって、水の中に分散します。これがエマルジョンと言われる物です。
単に、水と有機溶剤をかくはんして混ぜるだけでは、有機溶剤と水は分離して2つの層に分かれてしまいます。
そこで、有機溶剤の粒子の外側に保護コロイドを付けて安定した状態にします。
エマルジョンは水の中に有機溶剤が混ざっているので、当然燃えませんし、水で洗うことができます。また、有機溶剤の量も少ないので費用も安くなります。
ただ、欠点は糊を被着体(ひちゃくざい)に塗った時は、水を飛ばさないといけないので、有機溶剤だけの場合より乾燥が遅くなります。また水が飛んでエマルジョン粒子同士が混ざり合って膜になる時、保護コロイドがあるため少し糊の性能が劣る場合があります。

(8)<まとめ>
有機溶剤は、塗料や接着剤などに大量に使用されていますが工程の途中に使用されるため一般の人が目にすることは少ない。
マニュキュアを落とす除光剤や、サイホンコーヒーのメチルアルコールなどが日常目にするものである。あと塗料の薄め液(シンナー)などが一般的です。
環境悪化の問題、大気や水質の公害の問題、コスト等で有機溶剤を減らして行こうとする動きが進んでいます。
有機溶剤を減らす方法としてエマルジョン化が増えていっています。

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