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第33回目

第33回「扇風機の寿命は何年か」

扇風機の寿命は何年ですかと聞かれてすぐに答えられる人はいないと思います。
まず、寿命の内容がはっきりとしていません。故障して使えなくなる時が寿命だとしても、どこが故障した時が寿命だと考えるかは人によって違います。
首振りが少しおかしいとか、少し音が違ってきたとかいろいろあります。
当然ながら、扇風機の使用頻度によっても違ってくるでしょう。また、扇風機の値段とか種類によっても違ってくると考えられます。
寿命の条件を整理しますと、次の3点になります。

  1. 寿命の定義
  2. 使われかた
  3. 扇風機のグレード

これらの条件をはっきりして、初めて寿命が考えられます。

今までは電気製品の寿命というものは明確には表示されていませんでした。
食品には賞味期限とか消費期限が書かれています。
長く使っていた電気製品から発火して火災が発生する事故が増える傾向にあります。
このような事故を防ぐ第一歩として、「長期使用製品安全表示制度」が今年の4月から実施されました。

この内容について説明いたします。
(1)<長期使用製品安全表示制度>
経年劣化による重大事故発生率は高くないものの、事故件数が多い製品について、設計上の「標準使用期間」と経年劣化についての注意喚起等の表示が製造事業者に義務化されました。
消費者の方に長期使用時の注意喚起を促す表示を義務付ける制度です。

電機用品安全法の「電気用品の技術上の基準を定める省令」で、「設計上の標準使用期間」と「経年劣化についての注意喚起」等の表示が義務付けられました。

(扇風機の表示例)

最初に書きましたように、どのように使用されるのかがはっきりしないと寿命を考えることができません。
それで、まず使われかたをはっきりするために、「標準使用条件」がJIS(ジス)で決められました。

それでは扇風機の「標準使用条件」を説明します。

(2)<扇風機の標準使用条件>

JIS C 9921-1
「扇風機の設計上の標準使用期間を設定するための標準使用条件」に書かれています。

(内容)    
(1)運転時間   1日に8時間使用する(延べ時間)
(2)運転回数   1日に5回使用する
(3)運転日数   1年間に110日使用する
(4)スイッチ操作回数   1年間に550回スイッチを操作する
(5)首振り運転の割合   すべて首振り運転を行う
以上の内容が書かれています。

以上の標準使用条件はどのように決められたのでしょうか。

(3)<標準使用条件の決め方>

  1. 扇風機のユーザーのアンケート結果
  2. 社団法人日本電気工業会(JEMA)の扇風機、換気扇技術専門委員会 で策定の自主基準の使用時間

以上の2点を考慮して決められました。
JIS(ジス)の解説にはそのように書かれていますが、詳しいデーターは載っていません。
またこれは平均値なのか平均より上のほうの値なのかも書いていません。

それでは、扇風機の寿命の年数について説明します。 
標準使用条件が決められたので寿命(使用期間)を決めることができるはずです。
扇風機の寿命(使用期間)は次のようになっています。

(4)<標準使用期間>

扇風機  
5~10年
換気扇   10~15年
エアコン   約10年

最初に書きましたように、扇風機のグレード等によって年数に幅があります。
これは各メーカーが自社の製品の設計内容や試験等で標準使用期間を決めいるからです。

設計上の「標準使用期間」は、製品の耐用年数を表しているものではありません。
安全上支障なく使用できる標準的な期間で食品の賞味期限に相当します。
製品の故障や機能低下の無料修理を行う無償保証期間とは異なります。

製品寿命ということになると、購入する時の比較要素となるため、メーカーは非常に重要視するようになります。
同じ値段であれば少しでも寿命が長い方を選ぼうとするかもしれないし、あるいは寿命は多少短くても、価格優先と考える消費者もいます。

家電製品の標準使用期間は、食品の賞味期限と同じような考えかたで決められています。
そこで、食品の期限表示について説明いたします。

(5)<食品の期限表示>
食品の期限表示には、「消費期限」と「賞味期限」があります。
それぞれについて説明します。

A.消費期限
期日を過ぎたら食べないほうが良い期限です。
食品の劣化が早いものに表示されています。
(食品例)
  弁当
  サンドイッチ
  生めん

A.賞味期限
おいしく食べることができる期限のことです。
この期限を過ぎても、すぐ食べられないということではありません。
劣化が比較的遅いものに表示されています。
(食品例)
  スナック菓子
  カップめん
  缶詰

<食品の期限設定考えかた>
  食品の情報を正確に把握している製造業者等が科学的、
  合理的根拠をもって正確に設定しています。
  これも家電用品の標準使用期間と同じです。

(6)<家電の対象5製品>

  1. 扇風機
  2. エアコン
  3. 換気扇
  4. 洗濯機
  5. ブラウン管テレビ


今まで、「長期使用製品安全表示制度」について説明させてもらいましたが、これと同時に「長期使用製品安全点検制度」も実施されました。

(7)<長期使用製品安全点検制度>
これは、「長期使用製品安全表示制度」と違って法定点検が義務付けられています。

    対象製品
  1.  ビルドイン式電気食器洗器
  2. 浴室用電気乾燥機
  3. 石油給湯器
  4. 石油ふろがま
  5. FF式石油温風暖房器
  6. 屋内式ガス瞬間湯沸かし器
  7. 屋内式ガスふろがま

「長期使用製品安全表示制度」と「長期使用製品安全点検制度」は次に説明します、消費生活用製品安全法で決められたものです。

(8)<消費生活用製品安全法>
消費生活用製品による一般消費者の生命または身体に対する危害の発生の防止を図るため、特定製品の製造、輸入および販売を規制するものです。
また、消費生活用製品の安全性の確保につき民間事業者の自主的な活動促進をはかるものです。

次に、消費生活用製品安全法も含まれる、製品安全4法について説明いたします。

(9)<製品安全4法>
製品安全法は次の4つです。特定製品は国が定める技術基準に合格して、下のマークを製品に表示しないと販売ができません。

1.消費生活用製品安全法(PSC法)
(マーク)  

(特定製品)
  1. 登山用ロープ
  2. 家庭用の圧力なべ及び圧力がま
  3. 乗車用ヘルメット
  4. 石油給湯器
  5. 石油ふろがま
  6. 石油ストーブ

(特別特定用品)
  1. 乳幼児用ベッド
  2. 携帯用レーザー応用装置
  3. 浴槽用温水循環器
2.電気用品安全法(PSE法)電案法、PSE法
    旧来の電気用品取締法が改題されたものです。

(特定電気用品以外の電気用品)
  1. 電気こたつ
  2. 電気がま
  3. 電気冷蔵庫
  4. テレビ 等338品目

(特定電気用品)
  1. 電気温水器
  2. 電機マサージ器
  3. 自動販売機 等115品目
3.ガス事業法(PSTG法)

(特定ガス用品以外のガス用品)
  1. 開放燃焼式もしくは密閉式燃焼式または屋外式のガス瞬間湯沸かし器 等3品目

(特定ガス用品)
  1. 半密閉式燃焼ガス瞬間湯沸かし器
  2. ガスふろバーナー 等4品目
4.液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(LPG法)

(特定液化石油ガス器具等以外の製品)
  1. 調整器
  2. 液化石油ガス用ガス漏れ機 等8品目

(特定液化石油ガス器具等)
  1. 液化石油こんろ
  2. ふろがま 等7品目


製品安全4法について簡単に紹介いたしました、対象製品の少なさに驚かされます。
これから消費者行政が進んで行けば、対象商品が増えて行くと思われます。

(10)<まとめ>
今年(2009年)の4月から「長期使用製品安全表示制度」と「長期使用製品安全点検制度」が実施されました。
ガス湯沸かし器やファンヒーターなどによる一酸化炭素中毒による死亡事故が起こり、ようやく対策の第一歩が始まったところです。
今までのメーカー主体の行政から消費者主体の行政への転換だと思われます。
「標準使用条件」や「標準使用期間」という少し分かりにくい表現が使われていて理解が難しい内容です。しかし、いづれ食品の賞味期限や消費期限のように消費者が商品を購入する時の判断材料になって行くと思われます。
そうすれば、メーカーはそのことを考えて安全な製品作りに励むと考えられます。
今回の制度はあまり一般には知られていませんが、やがて定着して大きな広がりになると思います。

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