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第43回目

第43回「無毒性量(むどくせいりょう)」について


(1)<化学物質の安全性>
化学物質という言葉を聞くとすぐに有毒性が気になります。
食品は当然ですが、いろいろな物に化学物質が使われています。
たとえば、おもちゃなどは食べる物ではありませんが、おもちゃの塗料や本体がプラスチックで出来ていれば、安定剤とか、老化防止剤とかが入っている可能性があります。
それらの化学物質は安全であるかどうかはどのようにして確認されているのでしょうか。
まず、有毒な化学物質を使用しないと言うことが第一だと思います。
ただ、この有毒な化学物質と言うのがなかなか判定が難しいのです。

 

(2)<有害性確認(Hazard Identification:ハザードアイデンティケェーション)>
化学物質が毒性をもっているかをまず調べます。
動物実験や疫学(えきがく)調査などから化学物質がどんな種類の毒性を引き起こすかを確認します。
一般に医薬品以外の化学物質は、直接人に投与した場合の毒性に関する情報はほとんどありません。
したがって、基本的には各種の動物実験によって有毒性をしらべます。
ただ、有毒性を調べると言ってもいろんな有毒性試験があります。
   経口急性毒性
   経口慢性毒性
   吸引急性毒性
   吸引慢性毒性
   皮膚刺激性
   皮膚感作性
などが、代表的な毒性実験です。

 

(3)<有毒な化学物質の例(経口慢性毒性)>
おもちゃの場合は、「BS EN71-3の特定元素の移行」という規格があります。
これは、有毒元素である、アンチモン、ヒ素、バリウム、カドミウム、クロム、鉛、セレンの8種類の溶出試験(口に入って、胃に達して胃液で溶ける場合を想定)でその濃度を測ります。基準値以下であれば問題ないとしています。
基準値濃度は以下のようです。
アンチモン 60ppm(ピーピーエム)、ヒ素 25ppm、バリウム 1000ppm、
カドミウム 75ppm、 クロム 60ppm、鉛 90ppm、水銀 60ppm、セレン 500ppm 
となっています。

 

(4)<基準濃度の決め方>
それでは、なぜこのような基準値になったのでしょうか。
人が1日当たり、経口で取り込んでも有害にならない量をつぎのように考えています。
この量以下では、人にたいして有毒な作用をおよばさないと考えられている量です。
この量を無毒性量と言います。
「BS EN71-3の特定元素の移行」では、次のように考えています。

(無毒性量)
アンチモン   0.2μg(0.0000002g)/日
ヒ素       0.1μg(0.0000001g)/日
バリウム 25μg(0.000025g)/日
カドミウム 0.6μg(0.0000006g)/日
クロム 0.3μg(0.0000003g)/日
0.7μg(0.0000007g)/日
水銀 0.5μg(0.0000005g)/日
セレン 5μg(0.000005g)/日

 

(5)<用量反応評価(ようりょうはんのうひょうか)>
有毒なものを誤って口に入っても、ごく少量であれば人には悪い症状がでません。
また、長期にわたって摂取しても少量であれば、悪い症状がでません。
人に対して、どのぐらいの摂取量(せっしゅりょう)までは安全であるかについて、許容摂取量などを計算する方法を説明いたします。

これには、毒性発現メカニズムの違いから、2つの評価方法がとられています。

(1)遺伝子(DNA)障害を引き起こさない場合

    動物実験の無毒性量 ÷ 100 =人の安全量

(2)遺伝子(DNA)障害を引き起こす場合

    ベンチマークドースという統計的推測を行う。

 

(6)<無毒性量(むどくせいりょう)>
無毒性量(むどくせいりょう)について説明いたします。無毒性量と言う言葉を聞かれた方は少ないと思います。ただ、だいたいの意味は分かると思います。
これは慢性毒性の評価に使われる言葉です。
急性毒性は、一度に摂取(せっしゅ)した場合の有毒性を表す言葉ですが、毎日すこしづつ摂取した場合は、症状がすぐにはあらわれませんので、毒性の評価はすこし難しくなります。
人間で有毒性の評価はできませんので、動物で有毒性の評価を行います。
急性毒性も慢性毒性も同じように動物実験で行います。ただし、急性毒性は短期間に評価する物質を動物に与えますが、慢性毒性は毎日少しづつ評価する物質を動物に長期間与えて、その影響をみます。

 

(7)<リスク判定(Risk characterization)>
化学物質の有毒性の程度がわかりますと、こんどはその化学物質を人がどれくらい摂取するかを調べます。
仮に、青酸カリのように非常に有毒なものでも、人が摂取しなければ問題がありません。

許容1日摂取量と人の推定総暴露量(経口等)を直接比較して、化学物質の安全性について評価します。
これを、リスク評価と言います。

     許容1日摂取量 > 1日総摂取量
であれば、問題がないと判断します。

また、1日許容摂取量などを基にして、食品、水、空気中の有毒物質の濃度基準値を決定しています。

食品、水、空気中の   食品、水、空気中の
測定値
基準値

になるようにします。

 

(8)<慢性毒性の基準値の考え方>
慢性毒性の基準値について説明いたします。
毎日反復して、1年間摂取した場合の毒性反応が出ない量になります。

NOAEL(mg/kg・体重・日)、動物の体重1kgあたり、1日あたりの量で表す

動物実験で得られたデータの無作用量の100分の1を人間の1日許容摂取量(ADI)とします。

ADIとは、健康影響の観点から、一生涯摂取しても1日あたりこの量以下の摂取が許容されると断定される量です。
その根拠は人と実験動物との種差で10倍、人での個体差を10倍と考えるからです。

 

(9)<慢性毒性で用いられる閾値(しきいち)について>
閾値(しきいち)とは、その量以下では有毒性がでない値です。
単位はmg/kg・日です。

動物試験で閾値(しきいち)を求めて、これの1/100を人の基準値とします。
これ以下だと、実質上安全と考えます。

 

(10)<慢性毒性の考え方のまとめ>

(A)動物実験
長期反復して動物に化学物質を与える
(B)閾値(しきいち)を求める
長期反復して動物に与えても、毒性反応が出なかった量
(C)無毒性量を求める
動物の毒性反応が出なかった量の100分の1を無毒性量という。

 

(11)<まとめ>
化学物質の規制については、まず工場から出る有害物質の規制から始まりました。
有名なのは、水俣病です。工場から海に流している工場廃水の水銀が、原因で起こりました。
工場から触媒の水銀を海に捨てていて、その水銀を魚が食べ、それを人が食べて水銀(有機水銀)が体内に蓄積されて水俣病(みなまたびょう)になりました。
工場から出る有害物質の規制は年々厳しくなっており、その結果川や海がきれいになってきています。
次に、生産される製品に含有する有害物質の規制が始まってきました。前にも書きましたが、自動車(ELV:イーエルブイ)や電機製品(RoHS:ローズ)などの規制です。
また、化学物質の毒性についても急性毒性だけでなく、慢性毒性についても調べられ、規制されつつあります。それと人に対する毒性だけでなく、水性生物など環境に対する毒性も調べられています。
これらの経過をみますと良くやっているという面と、まだまだと言う面があります。
実際に、商品を作る面から考えると、安全な製品(有毒物質が入っていない製品)を消費者に届けるのは当然ですが、それを実現するのは非常に大変です。
すべての商品に使用してはいけない化学物質の規制があるわけではありません。
無毒の製品を保証するには、製品を組み立てているすべての部品について、有害な成分が許容値以下になっているかを調べる必要があります。有害物質の規制値はどんどん厳しくなっていてppm(ピーピーエム:100万分の1の単位)で調べないといけません。
不純物やゴミの付着による影響なども考えないといけないほどの微量な値です。
でも消費者が健康、安全、安心が重視する方向に向かっているので、企業は消費者が求める方向に努力する必要があると思います。

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