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第18回目

第18回「化審法(かしんほう)」について

「化審法(かしんほう)」について

皆さんは化審法(かしんほう)と言う言葉を聞かれたことがあるでしょうか。聞かれたことがある人でも中身がよくわからない方が多いのではないかと思います。
化審法と言うぐらいですから、化学に関係がありそうだと言うことは想像がつくと思います。

今回は「化審法(かしんほう)」について説明させていただきます。
化審法(かしんほう)は正確には、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」といわれるものです。
制定されたのは、昭和48年(1973年)で世界の他の国に先駆けて制定されました。

<化審法(かしんほう)とはどんなものでしょうか>
1973年(昭和48年)今から33年前に、世界で初めて化学物質の製造、輸入に際して安全性に関する審査を義務ずけたものです。
ある意味では自慢すべきものですが、それだけ日本が化学物質での問題が多かったと言う ことでもあります。
この法律が出来る時点で、すでに日本国内に数万点の化学物質が生産、使用されていましたが、これらは順次安全性の確認試験を行い、有害性があるかどうかを調べています。

化審法(かしんほう)とは要約すると
  1.すべての化学物質について安全性を審査し
2.基準以上のリスクのあるものについては分類して規制する
法律です。

ただし、この法律はもともと、環境で非常に分解されにくいもの(難分解性)を対象にしています。
したがって、微生物などによってある程度分解される物質は、どんなに毒性が強くても規制されない仕組みになっています。
つまり、これは有毒物の規制を目的としたものではなく、公害の防止を目的としたものです。

<なぜこの法律ができたのでしょうか>
この法律が出来たきっかけは、ポリ塩化ビフェニル(PCB)の公害問題です。
1968年(昭和43年)食用油の製造中、それを温めるためにパイプの中に入っていたPCBが食用油に混入して、その食用油を食べた人が皮膚障害(ニキビ状の吹き出物、皮膚や爪の黒変)や頭痛、手足のしびれ、肝臓障害などが引き起こされた事件である。
このPCBは鐘淵化学工業の「カネクロール」と言う商品名です。
認定患者数が1800人を超えました。

<PCB(ピーシービー)とは何か>
ポリ塩化ビフェニル(PCB)
有機塩素化合物でDDT(ディーディーティー)に類似した物質。
PCB(ピーシービー)と略称されます。
耐熱性,耐絶縁性に優れていることから、トランス、コンデンサー等に使用されていました。
昭和43年(1968年)米ぬか油に混入して食品中毒カネミ油症事件が起きました。現在は生産中止となり使用も禁止されています。

「水質汚濁に係る環境基準」
「地下水の水質汚濁に係る環境基準」
「土壌の汚染に係る環境基準」
「化審法」
「PRTR法」
の規制対象物質になっています。


 
Cl:  塩素が1個から10個まで付く

この塩素が臭素に代わるとローズで規制されている
PBB(ポリ臭化ビフェニール)になります。

<化審法(かしんほう)から除外される化学物質>

・放射性物質
・毒物、劇物の特定毒物
・食品
・医薬品
・農薬

これらは、化審法より厳しく規制されていると言う理由により「化審法」の適用を受けません。
しかし、この考え方は今の時代に合わなくなりつつあります。

<化審法での有害化学物質の分類>
化審法では、化学物質の有する性状のうち、「分解性」、「蓄積性」、「人への長期毒性」又は「動植物への毒性」といった性状(ハザード)や環境中での残留状況によって被害を生じる可能性(リスク)に着目して、規制区分や措置内容を規定しています。
これ以外の化学物質は一般化学物質として製造、使用が認められています。

分類
物質
性質
規制内容
第1種
特定
化学
物質
PCB等15物質 難分解性、高蓄積性及び長期毒性又は高次捕食動物への慢性毒性を有する化学物質
  • 製造・輸入の許可(事実上禁止)
  • 特定の用途以外での使用の禁止
  • 政令指定製品の輸入禁止
  • 回収等措置命令(物質・製品の指定時、法令違反時)
第2種
特定
化学
物質
トリクロロエチレン等23物質 難分解性であり、長期毒性又は生活環境動植物への慢性毒性を有する化学物質
  • 製造・輸入の予定/実績数量、用途等の届出
  • リスクの観点から必要に応じて、製造・ 輸入予定数量等の変更命令
  • 取扱いに係る技術上の指針の公表・勧告
  • 表示の義務・遵守勧告
第1種
監視
化学
物質
シクロデカン等22物質 <平成15年改正新設>
難分解性を有しかつ高蓄積性があると判明した既存化学物質
  • 製造・輸入実績数量、用途等の届出
  • 合計1トン以上について物質の名称、届出数量の公表
  • 指導・助言(環境汚染防止のため必要な場合)
  • リスクの観点から必要に応じて有害性
    (人又は高次捕食動物への長期毒性)調査の指示
第2種
監視
化学
物質
クロロホルム等842物質 <平成15年改正前における指定化学物質>
高蓄積性は有さないが、難分解性であり、長期毒性の疑いのある化学物質
  • 製造・輸入実績数量、用途等の届出
  • 合計100トン以上について物質の名称、届出数量の公表
  • リスク観点からの必要に応じて有害性(人への長期毒性) 調査の指示
第3種
監視
化学
物質
  <平成15年改正新設>
難分解性があり、動植物一般への毒性(生態毒性)のある化学物質
  • 製造・輸入実績数量、用途等の届出
  • 合計100トン以上について物質の名、届出数量の公表
  • リスクの観点から必要に応じて有害性
    (生活環境動植物への慢性毒性)調査の指示

 

<環境リスクとは何か>
リスクとは、ハザード(有害性)と暴露量とをかけあわせたものです。
そのハザードを決めているのが化審法で、暴露量を評価するのがPRTR法です。
化学物質を規制する法律はいろいろありますが、ほとんどが廃棄物の目的にあわせた法律、この化審法とPRTR法がほとんどすべての化学物質を包括した法律です。

<新規化学物質の審査内容>
新規化学物質を製造または輸入しようとする者は、当該新規化学物質にかかる届書を、 厚生労働大臣、経済産業大臣、環境大臣に提出する必要があります。
(試験項目)
(1)微生物による化学物質の分解度試験
(2)魚介類の体内における化学物質の濃縮試験
(3)細菌を用いる復帰突然変異試験及びほ乳類培養細胞を用いる染色体異
   常試験による変異原性試験
(4)ほ乳類を用いる28日間の反復投与毒性試験
以上の内容です。

<既存化学物質の安全性点検>
昭和48年(1973年)に化学物質審査規制法が公布された際に、すでに業として製造され、または、輸入されていた化学物質として約2万種、そして5万物質が「既存化学物質名簿」に収載されています。
経済産業省が分解性及び蓄積性の試験を、厚生労働省が毒性試験を実施しており、これらの結果については毎年官報等に公表されています。

<EU版化審法(REACH:リーチ)について>
今話題になっているリーチです。これは、EUが制定しようとしているものです。
EUの欧州委員会が、新化学物質規制の草案を、平成15年5月に発表しました。
化学物質の登録、評価、許可、制限を一つに統合するシステムです。
目的は、化学物質への暴露に対して、人の健康および環境の保護の強化し、EUの化学産業の競争力と技術革新能力の維持・強化めざすことにあると言われています。


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