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第27回目

第27回「蛍光X線分析機」について

◆今回のテーマは、「蛍光X線分析機」について です。

今回は、蛍光X線分析機について説明いたします。
蛍光X線分析機(ケイコウ エックスセン ブンセキ)とはどのようなものでしょうか。
あまりなじみのない言葉ですが、分かりやすく説明いたします。そこで、蛍光X線分析機を分解して、それぞれの言葉について説明をします。

<蛍光(ケイコウ:fluorescenceフルオレッセン)>
物質にX線や紫外線、可視光線を照射すると、物質の中に含まれる元素にその電磁波(光線)が当たり、その電磁波のエネルギーを吸収して元素の中にある電子が上の軌道(キドウ)に上がる。そして、元の軌道に戻る時に上がった上の軌道とのエネルギー差に相当する電磁波(光線)を放出します。
これは、当てた光(電磁波)よりエネルギーが低くなります。
簡単な例で説明しますと、身近にある蛍光灯です。蛍光灯は蛍光灯管の中で発生した紫外線(シガイセン:可視光線よりエネルギーが高い光線、紫外線は人間には見えない)が、蛍光灯管の内側に塗ってある蛍光物質に当たり、可視光線(紫外線よりエネルギーが低い:人間の目に見える)を出す。
この可視光線が蛍光である。
白熱電球はフィラメントが熱せられて可視光線をだします。

<X線(エックスセン:X-ray)>
波長が1nm~10nmの電磁波のこと。放射線の1種である。
1895年にレントゲンが発見したので、レントゲン線と言われることもある。
X線は電磁波(デンジハ)の1種で、普通の光線(可視光線)に比べて波長が短くエネルギーが非常に高い。そのため可視光線では透過しない物まで透過する。
電磁波をエネルギーの高い方から、並べると下記のようになる。
(左側がエネルギーが高い。右にゆくほどエネルギーが低い)

それでは、蛍光X線分析機について説明してゆきます。簡単に言えば次のようになります。

蛍光X線分析機
蛍光X線分析機はX線を元素に照射することにより、元素から出てくる蛍光X線を測定することにより、その元素の種類と量を測定する分析機である

<蛍光X線分析機の特徴>

  1. 蛍光X線分析装置では、部材を構成する元素の種類(定性情報:どんな元素が入っているか)とその元素の量(定量情報:濃度)が得られる。
  2. 非破壊分析(分析試料を溶かしたり、砕いたりしない)であるので、特別な前処理が必要でなく、試料は測定後も基本的にそのまま残っており、他の分析に回すことも可能である。
  3. 蛍光X線分析装置には2種類あります。一つはエネルギー分散型蛍光X線分析機である。
    もう一つは波長分散型蛍光X線分析機である。これは分析精度は良いが、測定に時間がかかるのでRoHS分析にはあまり使われない。

次に、ROHS(ローズ)について説明します。
このROHSの規制が決まってから蛍光X線分析機が大量に使われだし、有名になりました。

<RoHS(ローズ)>
Restriction of Hazardous Substancesの頭文字をとったもの
日本語では「電気・電子機器に含まれる有害物質の使用制限」

電気・電子機器が耐用年数がきて廃棄されるとき埋め立てられて、そこから水に溶けだして河川に入り、それが飲料水として利用されて人や動物などに害を与えないようにするための規制である。

有害物質は、以下の6物質で規制値が決められている

    (規制値)
1 1000ppm(0.1%)
2 水銀 1000ppm(0.1%)
3 カドミウム 100ppm(0.01%)
4 6価クロム 1000ppm(0.1%)
5 PBB(ポリ臭素化ビフェニール) 1000ppm(0.1%)
6 PBDE(ポリ臭化ジフェニール) 1000ppm(0.1%)

この有害物質の予備分析として、蛍光X線分析機が多く使われる
ただ、注意点としては次のようなことがある。

  • スクリーニング(簡易X線分析装置)なので、精度が粗い
  • 6価クロムはクロム総量として分析する
  • PBB,PBDEは臭素総量として分析する
少し専門的になりますが、蛍光X線がどうして出るかについて説明いたします。

 

<蛍光X線の発生原理>
原子は中心に原子核(陽子と中性子)があり、その周りを電子が回転している。
ちょうど、太陽の周りを水星、金星、地球などの惑星がまわっているようなものである。
ただ、太陽系のモデルとの違いは、原子の場合は同じ軌道に複数の電子がまわっていることである。
1つの軌道に回る電子の数は決まっている。

試料に1次X線を当てると、1番下の軌道の電子を追い出してしまう。そうすると上の軌道の電子が下の軌道に移る。電子のエネルギーは上の軌道の方が高いので、高い所のエネルギーと下の軌道のエネルギーとの差のエネルギーを放出する。
これが蛍光X線と言われるものである。
電子の軌道は原子核に近い所からK殻、L殻、M殻(エムカク)と呼ばれる。
Kから始まっているのは、将来K殻より内側に新たな軌道が現れると考えてAから始めずにKから始めた。今ではK殻より内側には電子軌道が無いことがわかったが昔からの習慣でK殻から名前を付けている。

<X線源(1次X線)>
フィラメントと対陰極の金属間に高電圧をかけて、熱電子を金属ターゲットにぶつけることでX線を発生させる。
試料にX線を当てると、蛍光X線以外に散乱X線や2次電子、光電子、オージェ電子などが出る。
また、一部は試料に吸収されて熱に変わる。

<測定装置>
簡単な図で説明すると下記のようになる。

<エネルギーの高さとエネルギーの大きさの違い>
高い音とは、振動数の大きい音であり、低い音とは振動数の少ない音である。
大きな音とは振幅の大きい音であり、小さな音とは振幅の小さい音である。
バッティングセンターでのバッティングをする場合を考えると、エネルギーの高いボールとはスピードの速いボールである。一方エネルギーの低いボールはスピードの遅いボールである。
ボールを投げる間隔が短い場合は単位時間あたりに投げるボールの数が多くなる。逆にボールを投げる間隔が長い場合は単位時間あたりに投げるボールの数が少なくなる。
これをグラフにすると、横軸にボールのスピードを取り、縦軸に単位時間あたりの投げたボールの数をとります。
このボールのスピードに相当するのが、蛍光X線のエネルギーの高さになりこれが元素の種類を表します。(いわゆる定性分析になります)
次に単位時間当たりのボールの数がエネルギーの大きさになりその元素の量を表します。
エネルギー分散型蛍光X線分析装置は、このエネルギーの強さとその大きさを同時に測定します。
それで測定時間が短くなります。

<定量分析方法>
試料に含まれている元素の含有量を測定することである。
蛍光X線で求められるのは、あくまで元素ごとのX線強度である。その強度を含有量に変換する方法には2つある。
     (1)検量線法
     (2)ファンダメンタル法

(1)検量線法
 

検量線法は、機器分析(ガスクロマト分析、質量分析、ICP分析等)では一般的に用いられる方法である。標準試料を用いて定量分析を行う方法である。
標準試料を用いて検量線を作成し、未知試料の含有量を測定する方法である。
(手順)
   1.含有量の明らかな標準試料を用意する
   2.標準試料の蛍光X線強度を測定する
   3.標準値と強度により検量線を作成する
   4.未知試料の蛍光X線強度を測定して、含有量を求める

 
(2)ファンダメンタル法(FP法)
 

蛍光X線特有の方法で、試料の組成(含有元素と含有量)が分かれば、蛍光X線発生の原理に基づき、測定条件とファンダメンタルパラメーター(物理定数)を用いて、蛍光X線強度を理論的に計算することができる。
(手順)
   1.未知試料の定量元素の蛍光X線強度を測定する。
   2.含有量、膜重量の初期値を仮定する
   3.初期値を用いて理論強度を計算する
   4.理論強度×元素感度係数により推定測定強度を求める
   5.測定強度と推定測定強度を比較して定量値を修正する

<まとめ>
蛍光X線分析の原理と測定方法について説明してきました。
内容的には、少し難しかったのでないかと思います。
最近、化学物質について色々な規制が行われています。人の健康のためや、環境をまもるために規制が強化されるのは当然のことだと思います。しかし、規制が制定されても実際にこの化学物質を分析する方法がなければ、実質的に規制をすることはできません。
最近はppm(ピーピーエム:100万分の1)と言うような非常に微量な単位の規制値が出てきています。
今回説明させてもらいました蛍光X線分析装置のように数百万円程度で購入でき、なおかつ簡単に分析が出来、精度のよい分析機の必要性が高まっています。

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