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第63回目

第63回「超撥水性(ちょうはっすいせい)」について

最近水をはじく布製のレインコートで話題になっている超撥水性(ちょうはすいせい)について紹介させてもらいます。

(1)<ヨーグルトのふた>
話題になりました、中のヨーグルトが付かないヨーグルトのフタについて紹介させてもらいます。
この森永のビヒダスヨーグルトのふたには、中に入っているヨーグルトが付きません。
普通のヨーグルトのふたはかなりつきます。そのため、ふたを開けると舌でなめたりスプーンでとります。また、捨てるときは内側に折って塵箱が汚れないようにします。
森永のふたは、ふたの内側に秘密があり、ヨーグルトが付かないようになっています。
表面のラミネーターに微細な凹凸があり、水の接触角が大きくなるようにしています。
そのため水が水滴になり、ヨーグルトはフタにつきません。

(2)<はす(ロータス)の葉の原理>
はすの葉には、細かい凸凹がありその凸凹の表面にも、また小さな凸凹があります。
そのため、水がはすの葉の表面で丸まってしまうのです。
水を表面に落とした場合、水は表面張力で丸まろうとします。水の場合はこの表面張力が大きくて、測定すると75.8mN/m(ミリニュートン/メートル)もあります。
水の表面張力は非常に大きく、直ぐに丸まってしまいます。
そのため、水がはすの葉の表面で丸まってしまうのです。


(水滴を転がして遊ぶすおもちゃ)

(3)<物のひっつきやすさ>
粘着剤をある物に貼る場合は、粘着剤がある物の表面に広がらなければなりません。
粘着剤が水溶性の場合は、水が相手の表面に広がる必要があります。
もし、水が相手の表面で丸まってしまう場合は粘着剤は付くことができません。
粘着剤が溶剤を含んでいる場合は、その溶剤が相手の表面で広がる必要があります。
これをもう少し、科学的に表しますと、ある物上に水もしくは溶剤を1滴落として、その液体の触角度(せっしょくかく)をはかります。


(水滴を落として、横からみたところ)

(接触角)
90度より非常に大 超疎水性   濡れが非常に悪い
90度より大 疎水性   濡れが悪い
90度より小 親水性   濡れが良い
のように一般的に言われています。

(4)<接触角は何できまるのか>
ある物の表面(固体)の表面張力と液体の表面張力のこの、2つからきまります。固体の表面張力が大きいと、液体を固体が引っ張ります。
そうすると、液体が横に広がろうとします。
その結果、接触角が小さくなります。
固体の表面張力が小さいと、液体を固体が引っ張らない。
そうすると、液体が横に広がらず、丸まろうとします。
その結果、接触角が大きくなる。

(5)<金物の表面張力>

表面張力の単位はミリニュートン/メートルです。
(液体の表面張力)
(ミリ二ュートン/メートル;mN/m)
ヘキサン 22.4
エタノール 24.1
エチレングリコール 50.2
75.8
水銀 490.6

水は溶剤に比べて、表面張力が非常に大きい。

(6)<固体の表面張力>
ここで、固体の表面張力と触角度の表を表示いたします。

(固体の表面張力と接触角)

 
(mN/m)
(度)
材質
表面張力
水の接触角
66ナイロン 48 65
塩ビ 43.9 83
PET 43.9 81
アクリル 43.5 74
PS 43 84
PE 31 73
PP 30 91
ジメチルシリコーン 24 90
テフロン 21.5 112
75.8
-

(異物の顕微赤外スペクトル集より引用)

液体(水)の表面張力と固体(樹脂)との表面張力の差が大きいほど水の接触角は大きくなり、濡れにくくなる。

(7)<濡れを小さくする>
それでは、濡れを少なくする方法について説明いたします。

(1)液体の性質をかえる
・種類をかえる
水から溶剤にかえる
温度を変える
添加剤(界面活性剤)を加える
(2)固体の性質をかえる
・種類をかえる
表面張力を小さくする
金属 → テフロン
表面のあらさをかえる

 

(8)<まとめ>
今回は日常ではあまり関心のない表面張力についての話になりました。この力は非常に弱い力ですが、表面に関係する力なので、接着性とかに大きくかかわってきます。
あまり気にしない物が、ある分野では非常に大きな影響を与えることがあります。

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