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第58回目

第58回「ボールタック、粘着力、保持力の関係」について

 

今回は、粘着テープの代表的な試験項目のボールタック、保持力、粘着力、の各項目の内容とそれらの関係について説明いたします。
JIS Z 0237「粘着テープ・粘着シート試験方法」にはボールタック、保持力、粘着力の3つの試験方法が入っています。
それではボールタック、保持力、粘着力について説明して行きます。

(1)<接着剤(せっちゃくざい)と粘着剤(ねんちゃくざい)の違い>
まず、よく混同される接着剤と粘着剤との違いについて説明します。
英語では接着剤と粘着剤の区別はなく、どちらもAdhesive(アドヘッシブ)と言われます。
特に区別するときは、
          接着:Adhesive
          粘着:Pressure-sensitive Adhesive(感圧性接着剤)
呼ばれます。
粘着剤は感圧性接着剤と分類されています。
日本での接着と粘着の定義について説明しますと、

(接着の定義)
  液体で貼り合わせて、固体になって凝集力が強くなって接着力がでる。

(粘着の定義)
  貼り合わせるときゲル状(液体)であり、そのまま固まらずに粘着力がでる。

接着と粘着の違いは貼った後で状態変化(液体から固体)があるかどうかの違いです。

(2)<粘着剤の特徴>
粘着剤の特徴について説明いたします。
粘着剤は、貼り合わせる物に濡れてゆく必要がある。ためには液体の性質(タック)と次にハクリに対する抵抗が必要なので固体の性質(凝集力)が要求されます。
そして、粘着剤の3大要素として、タック、保持力、粘着力があります。
実使用の場合は目的に応じて、これら3要素のバランスを取ることが大切です。

(3)<粘着テープ構成>
粘着剤の場合は接着剤のように粘着剤だけを販売する場合はありません。
必ず支持体(支持体;セロハンテープのセロハンに当たる)の上に粘着剤が塗られた状態で販売されます。

これらが1体となって何層か巻かれて粘着テープになります。

(4)<タックの説明>
粘着テープは、ごく軽く貼る相手にふれただけで、短時間に粘着力を発揮します。
代表的な試験方法は「傾斜式ボールタック」と言われるものがあります。
(試験方法)
傾斜角が30度で、ボールの助走路の長さが100mmで鋼球を転がして、長さ100mmの測定部に止まる鋼球の大きさであらわします。
鋼球の大きさは、2/32インチから32/32インチまであります。止まった鋼球のn/32のnの大きさでボールタックの強さを表します。
そして、nをボールナンバーとして表示します。
ボ-ルナンバーが大きいほどタックがおおきいことになります。

 

(5)<粘着力の説明>
粘着力は、粘着テープの基本的な粘着剤の性能をあらわします。
試験体を25mmの幅に切って、23℃の室内でステンレス板に粘着テープを貼り合わせます。
それを2kgの圧着ローラーで2往復圧着します。次に、300mm/分のスピードで180度の角度で剥がした時の強さで表します。
粘着力の強さはg/25mmで表します。

 

(6)<保持力の説明>
粘着テープのずれの抵抗の評価をする試験です。
23℃でステンレス板に25mm×25mmの寸法で貼り付ける。
そして、貼り付けた粘着テープの先に1kgの荷重を吊り下げる。
その荷重が何分で落下するかをはかります。最大60分間測定する。
最大60分間測定する。
測定の表示は落ちた分で表し、60分で落ちなかった場合は60分以上と表示します。

(7)<タック、粘着力、保持力に影響する項目>
タック、粘着力、保持力は色んな条件で値がかわります。
粘着剤の成分などによって変化の状況はかわります。
ゴム系かアクリル系でも必ずしもすべて同じ傾向が出るわけではありませんが、一般的な傾向につきまして説明いたします。

(1)<温度の影響>
粘着剤のTg(ガラス転移点)温度との関係がありますが、通常温度が高くなると粘着剤は軟らかくなります。そして、タックは温度が上がるほど高くなります。
粘着力はある程度までは温度が上がると高くなりますが、温度が上がりすぎると今度は粘着剤の凝集力(粘着剤そのものの強度)下がって行きくので、今度は粘着力が下がります。
保持力も粘着力と同じような傾向になります。

(2)<粘着剤のTg温度の影響>
Tg(ていじい)温度とはガラス転移点温度のことです。粘着剤の成分によって決まる温度です。
粘着剤は樹脂で出来ているので、温度が上がると軟らかくなり、温度が下がると硬くなります。
温度を変えて粘着剤の硬さを測定するとある温度で急に硬さが変わる温度があります。
粘着剤は通常室温で使われるので、室温(20℃付近)では軟らかい状態です。
これをどんどん温度を下げて行くと、水が凍って氷になるように粘着剤がガラスのように固まってしまう温度があります。
この温度をガラス転移点(ガラスのように硬くなる温度)と言われます。
通常の粘着剤は室温よりTg温度がかなり低くなるような材料で作っています。
従って、Tg温度が高い粘着剤ほど低温では硬くなりやすくなります。

(3)<試験のスピードの影響>
ボールタックはスピードは変えられません。また、保持力も荷重をつるすだけなのでスピードは関係がありません。
粘着力はJISでは300mm/分と決まっています。この引っ張るスピードを上げて行くと粘着力は高くなる方向に変化します。

(4)<塗布量(とふりょう)の影響>
同じ粘着剤を使っても、塗布量(粘着テープに塗っている粘着剤の量:通常g/㎡で表す。20g/㎡が一応の目安。粘着剤の比重が1とすると、20μの厚みになる。)
が増えればボールタックの値は高くなります。
粘着力は最初は塗布量が多くなれば上がって行きますが、あまり多くなると下がってゆく傾向があります。
保持力も塗布量が少ない時は塗布量が多くなるにつけて上がって行くがある程度上がって行くと、今度は下がって行きます。

(5)<タック、粘着力、保持力の関係>
ボールタックが高いと、粘着力と保持力が低くなる傾向があります。
逆に、保持力や粘着力が高いとボールタックが低くなる傾向があります。
粘着テープの粘着剤はそれらを考えて目的に合った設計にすることが大事になってきます。

(8)<まとめ>
粘着テープは非常に便利なので生活の中で広く使われています。ホームセンターやスーパーで買い物をすると商品にバーコードのラベルが必ず貼られています。
商品に直に貼られている場合は剥がすのに手間がかかります。
綺麗に取れずに、粘着剤がべたべたと残る場合があります。
粘着剤をきれいに剥がすコツはできるだけゆっくり端から剥がすことです。
粘着剤をゆっくり剥がすことは粘着剤を温めてはがすことと同じことになります。
それと、ベタベタした粘着剤を綺麗に取るためにはアルコール(エチルアルコール、メチルアルコールでも同じく使用できます)を切れにしみこませてこするのが良いと思います。(素地を傷めないか、端で確認した方が確かです)
アルコールはアルコールランプのアルコールと同じ物です。(サイホンコーヒーに使用するもの)
また、粘着テープの仲間の両面テープは産業用に大量に使われています。携帯電話やゲーム機などの組み立てには必需品です。
組み立て工程の簡略化と高速化に無くてはならないものです。

<参考文献>
(1)接着・粘着の化学と応用1998年
(2)粘着技術ハンドブック1997年
(3)粘着製品の開発技術2003年
(4)粘着剤活用ノート1989年

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