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第42回目

第42回「ロードセル(荷重測定器)」について


(1)<荷重測定器>
ロードセルとは、力を検出するセンサーです。
力を電気信号に変えて、表示装置やレコーダーに出力します。
バネばかりや台ばかりでは、測定器がある場所でしか重さや力を測ることができませんでした。しかし、ロードセルではそのセンサー(非常に小型で堅牢です)を取りつけておけば、離れた場所でも力や重さが分かります。
ロードセルは英語では LOADCELL と書きます。
LOADは荷重、CELLは素子(そし:検出するもの)という意味です。

ロードセルには、荷重測定用だけでなく色んなタイプがあります。
トルク(ネジル力)を測定するもの、加速度を測定する物、衝撃力を測定するものとかがあります。
今回は荷重測定器について説明いたします。
荷重測定で一番身近な物としては体重計があります。体重計の上にのると何kgと表示されます。
今の体重計は、昔の身体検査であったような、下にコマがあって目の前に針が付いた物ではなく、軽くて薄くてデジタルで表示されます。


今の体重計は乾電池が無ければ表示してくれません。
昔のは、機械式だったので電池は必要がありません。

(2)<ロードセルの使われかた>

ロードセルがどのような所で使われているのかを説明いたします。

  (1)体重計

かなり前の体重計は、人がのる台があり、その台の一番前に針の付いた表示盤が立っていました。
人が台の上にのると、表示盤の中の針が動いて何kgか表示されました。
台の上に乗ると台が少し前後左右にゆれました。
これはかなり重くて、下にコマがついていて、押して運んでいました。
今は、荷重測定にはロードセルと言われるものが使われています。
これは、体重(重さ)を電気信号に変えて、その値を表示するものです。

(2)自動車の重量計

大きな鉄板の下の4隅にロードセルを置き、鉄板の上に車が乗ります。
そうすると、四隅のロードセルに荷重が加わり、その合計が車の重さになります。

自動車重量計は自動車(基本はトラック)の重さを測るのが目的ではなく、自動車(トラック)の荷物の重さを測るのが目的です。
車の重量は分かっているので、荷物を積んで重さを測れば、荷物の重さが分かるようになっています。

(3)クレーンのワイヤーの上部

クレーンで物を吊り下げるとき、吊り下げる物の重さを測って、クレーンが転倒したり、ワイヤーが切れないようにしています。
このように、絶えず測定することで安全を確保しています。

(4)エレベーター

エレベーターに大勢の人が乗ると、ブーとブザーが鳴る時があります。そのエレベーターの定員(人員×標準体重)を越えると、安全性に問題があるので、ブザーが鳴るように設定されています。
定員を越えたらブザーが鳴るのではなく、規定荷重を越えたら鳴るようになっています。
乗員の数では太った人や、痩せた人がいますし、子供が乗る場合もあります。
また、病院ではベッドごと載せる場合もあります。

(5)荷重測定器

測定器で力を測る場合、今はほとんどロードセルを使っています。
ロードセルであれば、力をレコダーやロガーに保存することは簡単です。

 

(3)<ロードセルの原理>
それでは、ロードセルはどのようにして、力を電気信号に変えているのでしょうか。
ロードセルには、金属材料にヒズミゲージを貼り付けた物が使われています。
そこで、ヒズミ(歪み)について簡単に説明いたします。

簡単な例としまして、鉄の棒を考えます。
下記の図で説明いたします。
例としまして、直径2mmの鉄の棒にします。長さは100mmとします。

これを、手で左右に引張って伸ばします。
直径が2mmの鉄の棒なので、ほとんど伸びませんが、やはり
引張った力に応じてわずかですが伸びます。
具体的方がわかりやすいので、今回は10kgの力でひっぱたとします。
直径が2mmなので、断面積は1mm×1mm×3.14=3.14mm2となります。
ここで、少し難しいですが、ヤング率(イギリスのヤングさんが発見しました)を使います。
(ヤング率が大きいほど、伸びにくい)
鉄のヤング率は21000kg/mm2なので、10kgの力を加えた時の伸びは

   
  (鉄のヤング率)21000kg/mm2=応力/ヒズミ=(10kg/3.1mm2)/(λmm/100mm)
 
λ(ラムダ:伸びmm)
となります。
具体的に数字を入れて計算します。
  21000=3.18/(λmm/100mm)
21000=(3.18×100)/λ
21000=318/λ
λ=318/21000=0.015mm=15ミクロン
伸びはわずかに、0.015mmでした。しかしわずかながらも伸びています。
ヒズミはλ(伸び)/長さなので、
  ε=λ/長さ
 
ε(イプシロン:ヒズミ)
  ε=0.015mm/100mm=0.00015
となります。
非常に小さなヒズミ量ですが、確かにひずんでいます。
大事なのは、このヒズミ量は非常に小さな値ですが、加えた力に比例すると言うことです。
ヒズミ量を何らかの方法で測定できれば、この鉄の棒に加えた力が分かると言うことです。
次に、そのヒズミ量を測る方法を説明いたします。

 

(4)<ヒズミゲージ>
針がねを手でひっぱると、目にはほとんど分かりませんが、引っ張った力によって、わずかに針がねが伸びます。
非常にわずかな伸びなので、物差しで測ることはできません。
そこで、このわずかなヒズミを測定するためにヒズミゲージと言う物が使われます。
これは、フイルムの上に図のように金属の薄いパターンを貼り付けた物です。
ヒズミゲージは電気抵抗の1種です。抵抗は線材の長さが長くなれば抵抗値は増えます。
ヒズミ量を抵抗の変化から電圧の変化に変えて、測定するものです。


例として、このヒズミゲージを角型鋼に貼り付けます。

この角型鋼に引張の力を加えます。そうすると、加えた力に比例してヒズミが発生します。
角型鋼に貼ってあるヒズミゲージも同じ割合でヒズミます。そして、ヒズミ量に比例して抵抗値が変わります。
この抵抗値の変化に応じて電圧が変化するように電気回路を組んでおくと、ヒズミ量が電圧量に変換されます。
ヒズミ量はヤング率により応力に変換することができ、角型鋼に加えられた力を知ることができます。

(5)<ロードセル>

ヒズミゲージを貼ったセルを組み込んで、加わった力と電圧変化の比率を一定にして、出力が取り出せるようにしたものが、ロードセルと言われるものです。
これには、外部から電圧を与えないといけませんし、出力電圧を増幅する装置も必要です。また、温度による変化を補償する回路も必要です。
また、最大荷重がどれぐらいか、力の加わる速さなども関係します。

これをもう少し簡単にまとめますと、

 

A.材料に力が加わる
 
B.材料がヒズム
 
C.材料に貼ってあるヒズミゲージが伸びる
 
D.ヒズミゲージの抵抗値が変わる
 
E.出力電圧が変わる
 
F.出力電圧を増幅する
 
G増幅電圧を力に変換する
  メーター
レコーダー
以上のような手順になります。

(6)<まとめ>
ロードセルにはいろんな長所があります。
(1)非常に小型に出来る
   小型化されると、取りつける場所の制限がなくなります。
   価格も安くなり、数多く取りつけることができます。
(2)堅牢である。
   丈夫で長持ちします。振動やほこり湿気などの劣化要因に対して、安定です。
(3)種類が豊富である。
   大きさも色々ありますし、用途に応じて形状もいろいろです。
   同時に、X,Y,Zの3軸の力を測るものもあります。
以上のような長所によって、普段、目にしないところに数多く使われています。
安全は今の状況を、正確把握することから始まります。この状況を定量的に正確に把握するためには、今回のロードセルは有効です。

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