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第54回目

第54回「臭いとVOC(ブイオーシー)」について

最近は臭いに敏感になってきている人がおおくなっています。
代表的なのは、新築の家で刺激臭がして気分が悪くなることかがあります。
今回は、臭いについて説明いたします。

 

(1)<臭い>
この臭いは悪臭のほうのにおいです。いい香りのにおいは匂いと書きます。
今回は臭いの方について説明します。
臭いの感じ方は個人差が非常に大きいです。臭いに敏感なかたもおればあまり気にならない人もいます。
また、臭いの種類についても、人によりその感じ方はまちまちです。
私はシンナーみたいな有機溶剤の臭いはあまり気にならないし、いやな感じはもっていません。
ガソリンの臭いについても個人差のおおきな臭いだと思います。非常にいやな感じを持つ人もいれば、あまり気にならない人もいます。
純粋に、臭いだけに限れは、悪臭防止法と言うのがあります。工場からの悪臭がするということで、隣近所の人が非常に困っている場合があります。
養鶏所とか養豚所なども悪臭が出やすい所です。
化学薬品工場なども製品によっては悪臭が出やすい所です。

 

(2)<VOC(ブイオーシー>
VOC(Volatile Organic Compounde :揮発性有機化合物) は、14種類の個別の物質とn(ノルマル)-ヘキサンからn(ノルマル)-ヘキサデカンまでをTVOCとして規制値が決まっています。
これは臭いがきついから問題であると言うよりは、その臭いの元の成分を吸い込むことによって体に悪い影響が出る場合です。
どちらかと言えば、臭いは2次的な問題で、臭いの元になる物質の有害性が問題になる場合です。厚生労働省が定めた暫定基準には14物質とTVOCと言うその他のある沸点範囲の有機物が決められています。
代表的な物にはホルムアルヒドと言ってホルマリンの成分があります。
目がちかちかしたり、頭が痛くなったりします。
これは合板の接着剤の成分の一部に使われています。
VOCの物質名の一覧と規制値を下記に示します。

基準値 基準値
1 ホルムアルデヒド 100μg/m3 0.08ppm
2 トルエン 260μg/m3 0.07ppm
3 キシレン 870μg/m3 0.20ppm
4 パラジクロルベンゼン 240μg/m3 0.040ppm
5 エチルベンゼン 3.8mg/m3 0.88ppm
6 スチレン 0.225mg/m3 0.05ppm
7 フタル酸ジ-n-ブチル 0.22mg/m3 0.02ppm
8 クロルピリホス 0.001mg/m3 0.07ppb
9 テトラデカン 330μg/m3 0.040ppm
10 フタル酸ジ-2-エチルヘキシル 120μg/m3 7.6ppb
11 ダイアジノン 0.29μg/m3 0.02ppb
12 アセトアルデヒド 48μg/m3 0.030ppm
13 フェノブカルブ 33μg/m3 3.8ppb
14 TVOC 400μg/m3 -

部屋の空気中の上記の化学成分の濃度が、基準値以下になるように決められています。

 

(3)<臭いとVOCとの違い>
臭い成分とVOCの関係は次の図のようになります。

臭い成分とVOC成分は一部ラップしています。
臭いがする成分がすべて体に有害ではありません。また、VOCのすべての物が臭いがするわけでもありません。

 

(4)<悪臭防止法の対象物質>
悪臭についての規制は、悪臭防止法があります。
1971年(昭和46年)に制定されました。
不快な臭いの原因となり、生活環境をそこなう物質です。現在22物質が指定されています。
22物質の名前と、その化学式、臭いの特徴をまとめていみます。

臭気強度(0~6までの6段階)は次の6段階に分けられています。
0 無臭
1 やっと感知できる臭い(検知閾値(いきち):下限値)
2 何のにおいかが分かる弱い臭い(認知閾値(いきち)値)
3 らくに感知できる臭い
4 強い臭い
5 強烈な臭い
同じ臭気強度でも、化学物質によってその濃度には違いがあります。
臭気強度が同じ2.5(2と3の間)の時の物質の濃度を表示します。
この値が(濃度ppm)が小さいほど、臭いがきついことを表します。

 

臭気強度(2.5)の時の
1 アンモニア
(濃度 単位:ppm)
NH3   トイレの臭い。毒性がかなり強い。   1
2 メチルメルカプタン
CH3SH   腐ったタマネギの臭い。口臭の臭い   0.002
3 硫化水素
H2S   腐った卵の臭い。毒性が強い。   0.02
4 硫化メチル
CH3SCH3   キャベツの腐った臭い   0.01
5 二硫化メチル
CH3SSCH3   ニンニクに似た特有の臭い。人体に有害   0.009
6 トリメチルアミン
(CH3)3N   魚臭。   0.005
7 アセトアルデヒド
CH3CHO   刺激臭。毒性はかなり強い。   0.05
8 プロピオンアルデヒド
CH3CH2CHO   甘酸っぱさの中の焦げた臭い。   0.05
9 ノルマルブチルアルデヒド
CH3(CH2)2CHO   甘酸っぱさの中の焦げた臭い。   0.009
10 イソブチルアルデヒド
(CH3)2CHCHO   刺激臭。   0.02
11 ノルマルバレルアルデヒド
CH3(CH2)3CHO   甘酸っぱさの中の焦げた臭い。   0.009
12 イソバレルアルデヒド
(CH3)2(CH2)2CHO   甘酸っぱさの中の焦げた臭い。   0.003
13 イソブタノール
(CH3)2CHCH2OH   特有の臭い。   0.9
14 酢酸エチル
CH3COOCH2CH3   果実臭。   3
15 メチルイソブチルケトン
CH3COCH2CHCH3CH3   樟脳(しょうのう)の臭い   1
16 トルエン
C6H6CH3   シンナーの臭い。毒性はやや強い。   10
17 スチレン
C6H6CHCH2   甘みを帯びた臭い。毒性がある。   0.4
18 キシレン
C6H6CH3CH3   特有の臭い。毒性がある。   1
19 プロピオン酸
CH3CH2COOH   鋭い酸臭   0.03
20 ノルマル酪酸
CH3(CH2)2COOH   ぎんなんの悪臭のもと   0.0009
21 ノルマル吉草(きっそう)酸
CH3(CH2)3COOH   靴下の臭い   0.001
22 イソ吉草(きっそう)酸
(CH3)2CHCH2COOH   靴下の臭い   0.001

この悪臭物質はいくつかのグループに分類されます。
(1)硫黄(S)化合物
(2)アルデヒド類(CHO)
(3)有機酸(COOH)
(4)芳香族(C6H6)
などです。

 

(5)<悪臭防止法の悪臭の濃度基準>
当初は物質(上記の22種類)の物質ごとの濃度(ppm)で規制されていました。
しかし、臭いを発生する物質は40万種類以上あり、臭いが複数の物質の複合によって感じる場合があります。
そこで、人が臭いをかいでその臭いの程度を表す臭気指数で規制をしようとする方法に変わってきました。
臭気指数は人が臭気を感じなくなるまで、どの程度希釈する(10倍ごと)のかを表す方法です。
臭いに対する感覚強度は、聴覚などと同じように刺激の強さ(物理的強度)の対数(LOG)に比例します。ウエーバー・フィシャーの法則に従うことがしられています。
それで、臭気指数は対数(LOG)を使った式で表されます。

臭気指数 = 10 × LOG10(臭気濃度:希釈倍数)

例えば、100倍に希釈して臭気が感じられなくなれば

臭気指数 = 10 × LOG10(100倍)
        = 10 × 2 =20 となります。
数字が大きいほど臭いが強いことを表します。

この臭気指数の規制値は各都道府県がきめます。
静岡県の例では、10~21の値を取っています。

 

(6)<まとめ>
最近は臭いに関して、関心が高まってきています。良い匂いの芳香剤の使用が増えてきています。
生活の豊かさが高まってきているからだと思います。
一方、口臭が嫌われたり、加齢臭が問題になったりしています。さらに、ペットの臭いとかペットの排便の臭いとかが問題になったりしています。
臭いはまだまだ科学的解明されていないところがあります。
視覚の色はかなり研究されて、色の表しかたや、機械で色を数値で測定しています。
においはまだ、数値で表すことが出来ていません。言葉で大まかに表すしかありません。
でも、においの記憶は鮮明に残り、何年も前に嗅いだにおいを、もういちど嗅ぐとすぐに思いだします。
においは生活を豊かにする反面、悪臭は生活の豊かさを阻害します。
これからにおいについてもっと科学的解明されて、豊かな生活になるようになってほしいと思います。

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