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  <8> KTRニュース

 

 

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第 1回 「LD50(エルディーゴジュウ)」について
第 2回 「ストレスクラック」について
第 3回 促進試験について
第 4回 N(ニュートン)について
第 5回 製品の安全性(有害物質について)
第 6回 分析について
第 7回 「品質工学」(タグチメソッド)について 1
第 8回 「品質工学」(タグチメソッド)について 2
第 9回 「品質工学」(タグチメソッド)について 3
第10回 VOC(揮発性有機溶剤)シックハウス症候群について
第11回 RoHS(ローズ)について
第12回 安全係数について
第13回 環境マネージメントシステムについて
第14回 アクリルについて
第15回 PBB(ピービービー),PBDE(ピービーディーイー)について
第16回 「可塑剤(かそざい)」について
第17回 「水と油はなぜ混ざらないのか」
第18回 化審法(かしんほう)について
第19回 湿度(しつど)について
第20回 「HACCP(ハサップ)」食品の安全性確保
第21回 「プラスチックの見分け方(赤外分析)」について
第22回 「REACH(リーチ)規制(新化学物質規制)」について
第23回 「積層造形(ラピッドプロトタイピング)」について
第24回 「ボールタック試験(粘着性の試験)」について
 第9回

★今回は、品質工学(タグチメッソド) 3 を出させてもらいます。これで、ひとまず品質工学のテーマは終わらせていただきます。
もう少し、私の理解が進んで今回と違った内容でお送りできるようなりましたら、改めてお送りさせて頂きたいと思います。

品質工学(タグチメソッド) 3

今回は、品質工学(タグチメソッド)でどのような問題の解決を、どの企業が行っているのかをお知らせいたします。
この内容をお読み頂きましたら、品質工学と言うものが何に利用できるかが、具体的に理解できるのではないかと思います。
テーマーの羅列ですので、少し読みにくいかと思いますが、この中から皆さんのテーマに近いものがあるかもしれません。
この中身を知りたい方は、品質工学会のホームページを載せておきますので、ぜひのぞいて見てください。

品質工学会  http://www.qes.gr.jp/ tel 03-3583-8234


品質工学会発表賞受賞テーマ

1993年(H5年)<第1回目>
<発表賞>
1. 溶射加工による機能性材料の開発 「岐阜県金属試験所」
2. 現像材粉砕工程における粒子径調整技術の確立 「ミノルタ」
3. 用紙送り機構の安定性設計 「リコー」


1994年(H6年)
<発表賞>
1. パラメーター設計によるもやしの育成条件の最適化 「三宝化学工業」
2. 口紅生産工程の基本機能ー外観選別から基本機能評価へ 「アルビオン」
3. へり継手におけるレーザー溶接技術の確立 「マツダ」

<論文賞>
1. 転写性による難削材の切削技術開発 「日産自動車」
2. パラメーター設計による自動はんだ工程の最適化 「不二越」
3. シャルピー衝撃試験機のパラメーター設計 「計量研究所」


1995年(H7年)
<発表賞>
1. パワーMOS裏面電極特性の向上 「日産自動車」
2. 複合系材料における均一分散性の結着性評価技術の開発 「ミノルタ」
3. プラスチック材料の摺動性の評価及び低摩擦低摩耗材料の最適化 「デュポン」

<論文賞>
1. 官能評価による衣服の着心地 「文化女子大学」
2. 多機能計測器の最適校正間隔 「リオン」
3. 薄板材を用いたレーザー溶接の技術開発 「日産自動車」


1996年(H8年)
<発表賞>
1. ジャケットの着心地のマハラノビスの距離による検討 「文化女子大学」
2. 現像材粉砕工程の自動機能窓法による解析 「ミノルタ」
3. フイルムパトローネ内装工程におけるサンプリング間隔の最適化 「コニカ」


(注)マハラノビスの距離 
インドの物理学者、統計学者のマハラノビスと言う人が考えたもので、考古学で化石が出てきたとき、どの動物と近いかを判断する考え方である。
パターン認識の数値化に用いられる。
健康診断のデーターの種類は100項目ほどあるが、それを今はお医者さんが見て健康かどうか判断しているが、その誤診率は非常に高いそうです。
それで、健康な人のグループと今回受診した人とのマハラノビスの距離を計算して、距離が離れているほど病気になっている可能性が高いと判断するのに用いられています。

<ASI賞>
1. カイロの品質工学 「フマキラー」
2. 透明電導膜形成 「双葉電子工業」
3. 化学反応における合成条件の最適化 「東亜合成」


1997年(H9年)
<発表賞>
1. インタークーラー気流音の低減 「日産自動車」
2. マハラノビス距離を適用した外観検査技術の開発 「ジャパンテクニカルソフトウエアー」
3. モデル軟膏処方のin vitro皮膚透過性の最適化 「ツムラ」

<論文賞>
1. マハラノビス距離による多次元情報システムの最適化-火災報知システムの場合 「日本インフォーメーションエンジニアリング」
2. 生産工程における機械部品の管理の実態 「電気通信大学」
3. ソフトウエア誤り検出能力の評価に関する基礎的研究 「電気通信大学等」


1998年(H10年)
<発表賞>
1. マハラノビスの距離を用いた衝突防止センシングシステムの研究 「日産自動車」
2. 重合反応の最適化 「東亜合成等」
3. 動的機能窓法による写真システムの評価 「コニカ」

<論文賞>
1. マハラノビスの距離を応用した健康診断の判定 「東京逓信病院」
2. 分割型ギヤのろう付け接合条件の最適化 「マツダ」
3. 切削加工における動特性のSN比の研究-L12直交表による網掛け実験の検討 「電気通信大学」


1999年(H11年)
<発表賞>
1. 四種類のテストピースと基本機能を用いた新定着システムの開発 「ミノルタ」
2. オートマチックトランスミション用磨耗材の開発 「日産自動車」
3. 制御システムの最適化設計 「クラリオン」
4. ON時とOFF時のエネルギー評価による旋盤加工技術の開発と生産性向上 「不二越」

<論文賞>
1. FM変調回路の安定性設計 「クラリオン」
2. MTSによる処理液診断システムの構築 「冨士写真フイルム」
3. 紙で簡単に実験した冷却システムのパラメーター設計 「ミノルタ」
4. マハラノビスの距離を用いた健康診断と欠測値対策 「古河インフォメーションテクノロジー」

(注)MTS
ハマラノビス、田口システムの頭文字で、田口博士がマハラノビス博士の考えかたを発展させた方法


2000年(H12年)
<発表賞>
1. 小型CDモータの最適化設計 「日産自動車」
2. 周波数をノイズとした電圧-電流特性評価による金属材料開発 「ミノルタ」
3. スピンドルの機能性評価に関する研究 「松浦機械製作所」
4. 製造現場における損失関数と測定周期のあるべき関係の明確化 「マツダ」
5. プレス深絞りの最適化 「三しゅうファインツール」

<論文賞>
1. MTS法の故障診断プログラムへの適用-将来宇宙機用ソフトウエアに関する研究 「三菱スペースソフトウエア」
2. 健康診断データを用いたMTS法による予測の研究-今年の健康から来年の健康を予測する方法 「東京慈恵会医科大学」
3. 粒子に着目した電子写真用現像剤の帯電機能計測技術の開発  「コニカ」
4. 半導体整流素子製造に対するオンライン品質工学の検討 「東芝コンポーネンツ」


2001年(H13年)
<発表賞>
1. 撮りっきりカメラシャッター-機構安定性のタグチメソッドによる設計 「コニカ」
2. 機械加工ラインにおける品質工学の展開とタクトアップ 「マツダ」
3. デジタル放送用チューナーの安定性設計 「クラリオンデバイス」
4. 電子写真現像器の最適化設計 「コニカ」

<論文賞>
1. 電力を利用した切削加工条件の最適化 「電気通信大学」
2. 電子写真現像装置における攪拌プロセスの最適化 「コニカ」
3. 直交表を使ったソフトウエアーのバグの発見の効率化 「セイコーエプソン」


2002年(H14年)
<発表賞>
1. テーラードブランク工法における溶接の機能性評価 「日産自動車」
2. 機械加工量産ラインにおけるオンライン品質工学の実践 「マツダ」
3. CAEを用いた鋳造用鋳型設計条件の最適化 「マツダ」
4. 超短縮塗装前処理剤の最適化  「日産自動車」

<論文賞>
1. 漢方薬の配合比の最適化とモデル動物による薬効評価の検討(1)  「ツムラ」
2. 新製品製造に伴う計測器の校正システムの検討 「東芝コンポーネンツ」
3. 過渡特性を用いた冷陰極蛍光ランプの基本機能の最適化 「NECライテイング」
4. 電子写真プロセスにおける現像特性の機能性評価(2)
テストピースによる電子写真現像剤の機能性評価技術の開発
「コニカ」

以上、品質工学を利用した事例を紹介させていただきました。
ぜひ1度簡単な事例を読まれて、まねをしてご利用いただければ、かならず効果があると思います。
慣れるのが一番の近道です。
3回にわたり品質工学の紹介をさせて頂きました。自動車会社、電気会社はじめ多くの企業で利用させ、効果をあげています。
少し努力は必要ですが、効果はでます。皆さんの仕事に役立つことを願っています。



 第10回

★今回は、最近問題になっているVOC(揮発性有機溶剤)シックハウス症候群について、説明させてもらいます。

VOC(揮発性有機化合物)

(1)<VOCの言葉の意味>
VOCは「ブイオーシー」と読みます。
Volatil Organic Compounds 頭文字を取ってVOCと言っています。
英語の意味は日本語の揮発性有機化合物そのままで、Volatil(バラテル:揮発性)、Organic(オルガニック:有機)、Compounds(コンパウンド:化合物)です。
揮発性有機化合物と言ってますが、これらはいわゆる有機溶剤(シンナーの仲間)です。
室温で揮発(蒸発)して、人間が呼吸で吸い込む可能性があるものです。

揮発性  : 常温で液体が気化すること
有機化合物  : 炭素を含む化合物の総称。無機化合物に対する言葉
化合物  : 2種類以上の元素が結合している物質

なぜ、このVOC(揮発性有機化合物)が問題になっているかと言いますと、これらは昔シンナーといわれた仲間で、これらを吸い込むとシンナー中毒症状が出ることがあるからです。

最近では、「シックハウス症候群」と言われ、家の中にこれらのVOC(揮発性有機化合物)の濃度が高くなり、いろいろな悪影響をおよぼしているからです。

それでは、具体的にどのような物質があるのでしょうか

(2)<VOCに指定されている物質>
現在、室内濃度指針値が出されている物質は13種類あります。
  1. ホルムアルデヒド(ホルマリン) CH2O
  2. トルエン               C7H8  有機溶剤
  3. キシレン               C8H10 有機溶剤
  4. パラジクロロベンゼン
  5. エチルベンゼン
  6. スチレン
  7. クロルピリホス
  8. フタル酸ジ-n-ブチル(DBP:塩ビの可塑剤)
  9. テトラデカン
  10. フタル酸-2-エチルヘキシル
  11. ダイアジノン
  12. アセトアルデヒド
  13. フェノブカルブ
これらは、家庭の中の建材や、家具、塗料、接着剤や、シロアリ防止剤とかに入っていて比較的よく存在して、なおかつ人間に対して有害なものです。
それぞれについて、室内濃度の上限値が決められています。
ただし、この濃度以下であれば絶対大丈夫かと言えば、そうではなく個人差があり過敏な方はこの基準以下でもなにか症状(くしゃみが出る、眼がチカチカする)が出る場合があります。

最近は、このような問題が起こらないように、材料メーカー等が非常に注意をはらい、VOCが発生しにくい材料を使用しています。
VOCの代表的な物質であるホルマリンの発生量に応じて建材のランク別けがされています。


<ランク>
<放散速度>
F☆☆☆☆(エフフォースター)
5μg/uh以下
F☆☆☆  (エフスリースター)
5μg/uh 〜 20μg/uh
F☆☆   (エフツースター
20μg/uh 〜 120μg/uh

(注)放散速度とは、材料のホルムアルデヒドの放散の程度を表す数値です。
1μg/uh とは、材料 1u 当り、1時間 当り、 1μg(百万分の1g)のホルムアルデヒドを出していることです。
                       
性能は☆のマークで表されており、☆の数が多いほど発散量が少なく、よい材料です。

次に、VOC(ホルマリン)の測定について説明いたします。

(3)<VOC(ホルマリン)の測定方法>
A法. JIS A1460 「建築用ボード類のホルムアルデヒド放散量の試験方法-デシケーター法」

<測定方法>
内容量約11リットルのデシケーターの底に300ミリリットルの蒸留水を入れた容器を置き、その上にサンプルを水に触れないように置き、20℃で24時間放置する。
サンプルから放散したホルムアルデヒドが、底に置いた蒸留水に溶け込みます。ホルムアルデヒド溶け込んだ蒸留水を発色させて、発色濃度を測り、その発色の濃さから、ホルムアルデヒドの濃度を求める。

B法. JIS A1901 「建築材料の揮発性有機化合物(VOC)、ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物放散測定方法ー小型チェンバー法」
<測定方法>
試験片を小型チェンバー(20リットル)の中央に置き、空気が試験片の放散?面上を均一に流れるようにする。試験温度は28度50%で行う。試験開始から1日、3日、7日経過後チェンバーからの出口の空気を、捕集管(Tenax-TX捕?集管、ホルムアルデヒドはDNPHカートリッジ)でVOCを捕集する。
次に、捕集管に捕集したVOCを液体クロマトグラフィーにかけて、定量分析をする。測定温度は28℃、50%で行う。


<A法、B法との違いと長所、短所>
  A法(デシケーター法) B法(小型チェンバー法)
費用 測定費用が安い デシケーター法の数倍高い
測定時間 1日 7日(長い場合は28日)
測定値精度 少し低い 精度が高い
測定単位 mg/リットル(放散量) μg/uh(放散速度)
ISOとの関係 ISOとの互換性がない ISOとの互換性がある
その他 室内濃度の計算は非常に難しい 放散速度が分かれば、室内のVOC濃度が計算できる
過去のデーター蓄積が多い 過去のデーター蓄積が少ない
デシケータ法と小型チェンバー法とのデーターの互換性はない。ただし、相関性は認められている


次に、VOCの濃度表示として、ppm表示とμg/m3表示があります。
この2つの表示の換算につきまして、説明いたします。

(4)<ppm濃度とμg/m3との換算式>
厚生労働省のVOC13物質の室内濃度指針では、ホルムアルデヒドは100μg/m3(0.08ppm)となっています。 100μg/m3は重量表示で、0.08ppmは容積表示です。基本的には同じ濃度を表しています。これは、測定方法とか、人に対する影響とかによって両方の値が必要なため、目的に応じて使い分けしてます。
このppmからμg/m3、逆にμg/m3からppmに換算はできます。

<換算方法の説明>
μg/m3からppmへの換算につきまして、説明させてもらいます。
μg/m3とは、空気1m3(1立方メートル)中に、VOCが何μg(100万分の1グラム)あるかを表しています。
かりに、同じ重さ(μg)の物質が空気中にあっても、その物質の分子量(分子の相対的な重さ)が違えばその分子の数が違ってきます。
数が違うと言うことは、容積濃度(ppm)が違うことになります。
その分子の分子量に相当する重さ(グラム)には、分子量にかかわらず、同じ数の分子が含まれ1気圧では22.4リットルの体積を占めます。
それで、VOCがxμg/m3があれば、体積はx(μg)/分子量(g)×22.4リットルとなります。
気体は温度が1度上がると、273分の1体積が膨張するので、その換算も必要になってきます。気圧も変われば、体積は変わりますが、今回は気圧は変化しないと仮定して計算します。
 
ppm換算  =  100μg/m3/分子量(30.3)×22.4/1000×
     (273 + 室温(25度))/273×1013/1013(気圧)
   =  3.30 × 0.0224 × 1.09 × 10のマイナス6乗
   =  0.08 ppm
以上の様になります。
  逆の場合もこの式を反対にたどって行けば、換算できます。

VOCにつきまして、なるだけ簡単に説明させてもらいました。VOCによる人体への影響、VOCの削減対策につきましては今回触れていません。非常に奥行きの深い内容になりますので、今回は割愛させてもらいました。

 

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